妻夫木聡主演『ノーボーイズ・ノークライ』韓国キャンペーン
5/23、5/24の2日間にわたり、妻夫木聡さんが主演映画『ノーボイズノークライ』(キム・ヨンナム監督)のプレミア試写会のために、ソウルを訪問しました。
主演の妻夫木聡さんは、2日日間の滞在で、計10回、計約2000人を前に、共演のハジョンウと共に舞台挨拶に登壇。
興奮したファンが接近して握手を求めるなど、盛り上がりをみせました。
記者会見での模様は以下のとおり。
5月23日(土) 「ノーボーイズ、ノークライ」韓国キャンペーン記者会見
ゲスト:妻夫木聡、ハ・ジョンウ、キム・ヨンナム監督
ハ:こんにちは、ハ・ジョンウです。今日は来てくださってどうもありがとうございます。ヒョングを演じています。この映画は、出会いの映画です。
妻:「こんにちは、妻夫木聡と申します」(韓国語で)
亨という役を演じています。内容をこの場で言うのはもったいないので、今は言わないことにします。
Q:生活に密着した内容ですが、とても映画的なものを感じました。どういう意図で演出されましたか?
監:人々の生活を表した作品です。しかし内容もテーマも重いけれども、みなさんに気軽に観てもらえ作品にしようと心がけました。
主人公のナレーションにはファンタジックな感じがありますし、亨の家族の風景を通して映画的な感じを出そうとしました。また、お互いの情緒がよく混じり合った空気感が作品に出るといいと思いました。
Q:兄弟のような親しみを映画から感じましたが、お互いにどのように感じましたか?また、言葉の違いがありましたが、どのようにコミュニケーションをとったのでしょうか。
ハ:以前のアメリカ合作映画を撮影したときの経験が役に立ちました。詳細までこぼさないように全部細かく通訳もしてもらって、聡とコミュニケーションをとってきました。まるで同時中継のような光景だったと思います。撮影期間は6週間ほどでしたが、新しいタイプの作品になっていると思います。新しい形、新しい環境の映画。僕にとって一番よかったと思うのは、ロケが新潟という地だったこと。まるで合宿のような生活スタイルで、多くの時間を共にしてよかったと思うし、助けになりました。
妻:たしかに、本当の兄貴かというぐらい仲良くさせてもらっています。ハジョンウさんは、とてもストイックな部分と暖かみえお感じさせる演技をされるので、それが亨とヒョングの関係に深みを持たせてくれたと思います。二人で行動を共にして、夜はお酒を飲んで、映画や役者についてや、人生について、またくだらないことも語り合い、僕にとってはとても刺激のある撮影期間でした。
Q:妻夫木さんが韓国語で演技をしているにも関わらず、役に感情移入していて驚きました。どのように覚えてどのように日韓の間でコミュニケーションをとったのでしょうか。
ハ:新しい世界、新しい人たちとの出会いは怖さもありますが、同時に何か多くのものを得られるのでは、とう期待感も強くあります。辛い部分はあったとしても、『何かを得た』という確信があります。それが何なのかは今言葉で表現するのは難しいですし、時間が足りないと思います。
今回、聡という友人を得たことが一番大きな幸せでした。俳優を越えて、一人の人間として触れあえたことで、とても貴重な時間を過ごせたと思います。
妻:セリフは、基礎から覚えることにしました。パッチムが難しいです(笑)。
自分のセリフだけ覚えるのではなく、相手のセリフや単語の意味から覚えました。なぜなら僕は、受けの芝居が好きなんです。ヒョングのセリフも覚えたので、いつも以上に時間がかかりましたが、それだけに刺激的な現場になりました。
Q:お二人の役作りは?亨は序所に変わっていく難しい役所。また、お互いの印象について聞かせてください。
妻:亨はいろんな顔を見せる人物。だから常に冷静でいることを意識しました。いつも爆発しそうなモノを内面に抱えているからこそ、柔軟な気持ちで挑みました。
ハジョンウさんに会う前に、キム・キドクの「絶対の愛」を見ました。なんてストイックな役者さんなんだろう、と思いました。一つ一つに妥協を許さずぶつかって行く熱い人。最初から心をオープンにしてくれたので、芝居についてだけではなく、色々な考え方を持っていることが演技につながって行くのだと改めて感じました。
ハ:最初に会うときに、キム・キドクが好きだと聞いていたので、自然と仲良くなりましたね。「ジョゼ虎」の話もしました。僕はあの卵焼きを食べるシーンが好きで、やってみてくれと言ったりました。聡はとてもいい人で、ビッグスターなのに壁がない。彼の方から近づいて来てくれて、自然に関係を築くことができました。初めて日本に来たときに「聡が居酒屋で待ってる」と聞いていて、そんなところも気楽で良かったです。
Q:監督へ、この企画のきっかけとキャスティング、撮影時のエピソードについてお聞かせください。
企画自体は僕が知ることになった一年前から始まっていた。
シナリオを読んだとき、物語の展開、情緒的なところが私にフィットしました。
はじめに読んだときに思ったことを最後まで変えないようにしました。
この2人の才能で、2人が十分な表現をしてくれると思っていました。
ハ・ジョンウは、動きがとてもすばらしくて面白い。大きいから自然とカメラのスケールも広がって行きました。妻夫木さんは少年と大人の顔、それぞれを併せ持っています。そんな2人が化学反応を起こして新しいモノが出来上がったのです。
ハ:韓国の撮影スケジュールはゆったりしているんです。
日本の場合は強行ですよね。休みを楽しみにしていましたが、雨が降っても海が冷たくてもボートに乗らなくちゃいけない(笑)。
妻:すみません(笑)。日本の撮影は、一ヶ月半は多いほうだと思います。ジョゼの時は確か三週間くらいでした。今回、一人一人が作品をよくしようという思いが強く感じられました。釜山映画祭に行ってから、韓国のもつパワーに圧倒されて、いつか仕事をしたいと思っていました。
すべてが新鮮で刺激的、毎日毎日楽しくて、撮影が終わってしまったときに思わず泣いてしまいましたが、それぐらい濃い毎日を送らせて頂きました。
Q:日韓合作映画の誕生をうれしく思っています。映画のキーワードとしてお金や家族、といってものが出てきますが、家族に対する思いを教えてください。
監:家族とは、一言では言えないものですよね。亨とヒョングという男の姿が土台としてあり、その上で家族が存在している・・・・・・・・・・(ちょっと不明です)
ハ:個人的に映画的か、それによって大きく変わってくるので今は語らないことにします。(笑)
妻:僕個人にとって、家族とは、自分になくてはならないもの。僕をつくってくれたもの全てですし。・・・・・・・(先あったかと思います)
Q:映画を見る人に一言を。
監:亨とヒョング、2人を通して彼らの感情を感じてほしい。一緒に旅をする感覚で見てほしいと思います。
ハ:日韓のエネルギーが合わさってできた、他に類をみない、新しいジャンルの映画だと思います。日韓のエネルギーが合わさったその熱気が、みなさんに伝わればいいと思います。
妻:誰もが心になんらかの闇を持っていたりして、それを改善しようとするけれど、この映画を通して、『考えすぎなくていいよ、生きていること自体が幸せなことなんだん』と思ってくれたら嬉しいです。