『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』等で国際的に高く評価され、韓国内の興収記録を次々と塗り替えてきた、若き巨匠ポン・ジュノ監督。
長編としては3年ぶりとなる待望の最新作『母なる証明』が、この度カンヌ国際映画祭<ある視点>部門に出品、世界初上映されました。現地では大変な反響で、ポン監督への称賛に加えて、“韓国の母”と呼ばれる国民的大女優キム・ヘジャ、不動の人気を誇り兵役後初の出演映画となったウォンビンの登場に、カンヌは騒然!
そしてついに、5/16(土)22:00〜ゲストにポン・ジュノ監督、キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グを迎え、『母なる証明』の公式上映が行われました。
一行は<ある視点>部門ながら、特別にレッドカーペットを登壇、満席の場内は、上映後大きな拍手とスタンディングオベーションが5分以上続き、大きな感動に包まれました。

【☆オフィシャルコメントの内容 5/18(月)】
 発言者:ポン・ジュノ監督、キム・へジャ、ウォンビン

Q:5月16日(土)に行われた公式上映の感想をお聞かせ下さい。
ポン・ジュノ監督:2年前『グエムル-漢江の怪物-』の時も高揚していたが、今回は格別な気持ちを味わっています。作品が完成しみなさんにお観せるすることが出来、そして撮影中に苦労をかけた俳優たちと、この幸せの瞬間を分かち合うことが出来てとても素敵だった。

キム・ヘジャ:拍手喝采を浴び、それが心からの拍手だと伝わり感動しましたし、ほっとしました。

ウォンビン:観客の皆さんとすごく繋がった気がしたし、心から祝福されていると感じました。またエンディングでの母親を見る表情が苦悩と哀愁に満ちていて、息子としての感情が再び戻ってきてしまい、胸が苦しくなりました。

Q:キャスト選びについて。
ポン・ジュノ監督:母親役はキム・ヘジャでなら爆発できる。
しかし息子をどうしようと思っていた時、ウォンビンならハンサムだけども、彼自身小さな村育ちで、無垢な青年を素晴らしく表現できると思いました。

Q:母と子のような関係を監督が撮影前から求めていたのか? 
それとも撮影のために築いたのであれば、それは今でも続いているのですか?
キム・ヘジャ:初期のミーティングで「撮影中にウォンビンとは呼びにくいから、役名(トジュン)で呼ばせて」と言ったら、彼からも「母」と呼ばせてほしいと言われ、
撮影がスタートしました。韓国公開が5/28で取材真っ只中ということもあり、今も母と子の心の絆は続いています。

ウォンビン:キム・ヘジャさんからは無条件の愛を注がれているような気がします。
常に母親のようにふるまってくれて、彼女の瞳から愛を感じているから、自然に息子のように振舞ったりできるのです。2人の絆は自然に存在しています。

Q:監督の演出についてどうでしたか?
キム・ヘジャ:実は私は、映画には2本しか出演してなくて、今回は10年ぶりです。
TVと映画は撮影工程が全く違うので、監督にインスピレーションを与えてほしい、そして自分の中からクリエイティブなアイデア、エネルギーを引き出してほしいとお願いしました。
4〜5年前にこの話を頂いていて、忘れた頃に再度話がありました。
この4〜5年の間に作品とキャラクターを育てていったのですが、実にポン・ジュノ監督らしいやり方ですね。

ウォンビン:それはもう、将来性のある若き天才、ポン・ジュノ監督からのオファーだったので、感謝の念でいっぱいでした。さらにやりたい気持ちになったのは、今まで演じてきたキャラクターとは全く違ったから。俳優は20代、30代・・・その時に出来る役、やりたい役があって、年を重ねるごとにどんどん変化していきます。
自分にとって4年間、兵役で映画から離れたことが良かったのは、自分の中にあるものを空に出来たこと。今の自分は「何でもやってやるぞ!」という気持ちになっていて、この4年は大変貴重なものでした。

“SCREENインターナショナル”5/18(月)発行より
 「最高に素晴らしい作品! サスペンスを超えた壮大な人間ドラマである。」