ユーロスペースにて大ヒット上映中『四川のうた』の公開記念スペシャルトークショーを行ないました。

日時:5月8日(金)『四川のうた』18:30回上映後
場所:ユーロスペース
ゲスト:西島秀俊さん(俳優)
聞き手:市山尚三さん(『四川のうた』プロデューサー)

市山尚三さん:
ジャ・ジャンクー監督と西島さんの出会いについて教えて下さい。

西島秀俊さん:
(ジャ監督の)『世界』という映画の際に、対談をした時ですかね。
最初に観た彼の作品は『プラットホーム』で、「こんな映画を撮る人がいるんだ」とびっくりしました。
めちゃくちゃ面白いんです。
四川のうた』でも音楽を担当している半野喜弘さんと知り合ったのがきっかけです。
ソウルの映画祭でジャ監督に会って話した時も、いくつも企画を持っているのを聞いて、すごいと思いました。

市山さん:
ジャ監督は、撮影依頼をされたような企画でも、自分の方向に寄せていくのが上手いんですよ。
『四川のうた』はもともとドキュメンタリーとして撮っていたのですが、ある日突然僕に電話がきて、「俳優にも演じてもらいたい」と言ってきたんですよ。
西島さんは、(ドキュメンタリーとドラマが混じった)『四川のうた』をご覧になって、俳優としてどう思われましたか?

西島さん:
すごく面白かったです。ドキュメンタリーらしく撮ることはいくらでもできるのに、フィクションの部分を強く出している。
役者さんが労働者の役を演じていることを知っていて観るので、油断せずに観てしまう。妙に緊張感があるんです。
「この人は役者かな?」って。

市山さん:
山口百恵さんのことを話す男性は、役者に見えないですよね。
でも彼は中国で人気のあるテレビ・スターなんですよ。
本物の労働者に見えますよね。

司会:
5/23(土)から、ジャ・ジャンクー監督の特集上映が始まりますので、お二人に、ジャ監督の過去作品の中で、お勧めのものを教えて頂ければと思います。

市山さん:
最初にプロデュースした『プラットホーム』が印象に残っています。
完成する前の5時間版を観て、それがすごかったです。

西島さん:
『プラットホーム』と『青の稲妻』が個人的には好きです。

市山さん:
短篇もレアです。『私たちの十年』もすばらしいし、蘇州で撮った『河の上の愛情』を観て、ジャ監督は観光映画も撮れるんじゃないかと思いました。
もし彼が日本で撮るようなことがあったら、是非西島さんに出て頂きたいですね。

西島さん:
宜しくお願いします。