現役の映画評論家のみによって選考が行われる日本映画批評家大賞の授賞式が、4月23日、品川プリンスホテルにて行われました。
18回目となる今回は、この賞の創設者である水野晴郎さんが昨年ご逝去されて以来初の授賞式となります。

受賞者と各コメントは以下の通り。

●新人賞(小森和子賞) 吉高由里子 『蛇にピアス』
「私がこんなお花みたいに人から見られる位置に立つことができるのは、花瓶の役割になってくれて、私の居場所を作ってくれる人たちがいて、お水の役割になってくれて、枯れないように気持ち良く潤してくれる人たちがいて…、その人たちのお陰で今ここに立つことができているんだなって感じています。」

●新人賞(南俊子賞) リリー・フランキー 『ぐるりのこと。』
「(出演の)とっかかりは橋口さん(橋口亮輔監督)がどのように映画を撮るのか、その現場を一度見てみたい、という考えからでした。なので自分の演技がこのように見られているとは思いもよらず、その後河崎実監督の『ギララの逆襲』にも出てしまい、いろいろ先のことも考えながら仕事をしないといけないなと思いました(笑)」

●助演女優賞 坂井真紀 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
「私は女優を始めて17年くらい経ちますが、このような個人的な賞をもらったのは初めてでして、そしてこんな素晴らしい賞をいただけて本当に光栄に思っております。私は若松監督の映画に出ることが一つの夢でありまして、それが現実になり、そして今目の前に若松監督がいる所でここにいられることを本当にうれしく思っております。若松監督との日々は、体育会系の厳しい部活動のようでした。監督の怒鳴り声は映画への情熱であって、大切なことをたくさん教えていただきました。」

●助演男優賞 岸部一徳 『GSワンダーランド』
「GS出身者の私としては、この作品で賞をいただけることがとてもうれしいです。この受賞は今でもGSで音楽を頑張っている昔の仲間たちも喜んでくれるのではないかと思っています。」

●主演女優賞 小池栄子 『接吻』
「最初はこの役をやる自信がなくて(オファーを)断ったんですが、プロデューサーや監督からぜひ一緒にやりたいと言われ、人生でこんなに誰かから必要とされることなんてないんじゃないかとうれしく思い、挑戦させていただきました。これからもたくさんのものを見て聞いて感じて、皆様に「小池栄子おもしろい女優だな」って言ってもらえるように努力していきたいと思っています。」

●主演男優賞 東山紀之 『山桜』
当日は都合により欠席されたため、ビデオによるコメントが披露された。
「藤沢先生の作品が大好きで、一度演じてみたいというのが夢でした。今回の賞は僕の人生の励みにもなりますし、自分の中でも様々な可能性が広がったなと感じております。また素敵な作品に出会い、人生の帆を広げていきたいと思います。」

●審査員特別賞 松田聖子 『火垂るの墓』
「今日はこんな素晴らしい賞をいただいて、本当にうれしく思っています。ありがとうございます。今回こんな素晴らしい作品の一部となれたことを大変うれしく思っています。」

●審査員特別賞 藤田まこと 『明日への遺言』
「まず私を起用してくださった原プロデューサーと小泉監督にお礼を申し上げます。また私をお選びくださった批評家の先生方にもお礼を申し上げます。ちなみに『明日への遺言』は、裏の話ですが、きっちりギャラを決めておりませんでした。出来高払いでという話でございまして、今DVDが出ていますので、まだ映画を観ていらっしゃらない方はお買い上げください!(笑)」

●映画音楽アーティスト賞 久石譲 『おくりびと』『崖の上のポニョ』
都合により欠席のため、『おくりびと』エグゼクティブプロデューサーの間瀬泰宏さんが代理で受賞されました。以下は会場にて読み上げられた久石さんのコメント。
「音楽はどうしても言葉で表現しづらいために、音楽自体で評価されることが大変少ないです。なのでそこをぜひ、音楽をみなさんの言葉で伝えてもらいたいと思っています。」

●監督賞 滝田洋二郎 『おくりびと』
「今まで僕は44本の映画を撮ってきましたが、その都度一生懸命できることをやってきましたが、『おくりびと』は中でも思い入れのある作品になったと思います。なによりも嬉しかったことは、自分自身がこんな映画を撮れる歳になったんだなということを実感できたことだと思います。明日からまた映画に夢中になります!」

●作品賞 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』 若松孝二監督
「今の俳優さんはテレビ的な芝居しかしないので大変でしたが、俳優さんたちはよく努力してくれました。前に毎日コンクールで受賞した時に滝田監督には「僕の方が盾が大きい」と言われたんですが、今回は同じだったよ!(笑)」

●特別功労賞(増淵健賞) 岡田裕(アルゴ・ピクチャーズ)
「去年は『靖国』を配給したことから、連日マスコミなどの電話攻勢が一日100件ぐらいありまして、パンクしそうになりながらもなんとか公開にこぎつけました。そのことに対する賞だと思っております。」

●特別功労賞(増淵健賞) 浦岡敬一
昨年11月24日にご逝去されたため、奥様が代理で受賞されました。
「(夫があんなにも早く亡くなってしまってのは)天国でいいシナリオができたから、編集の浦ちゃんを呼ぼうと、呼ばれて逝ってしまったのだと思います。私があちら(天国)に行った際は今日の授賞式の出来事を伝えようと思います。」

●特別敢闘賞 河崎実監督
「今回の受賞は意外だったんですが、きっと地獄から、いや天国から(笑)水野晴郎先生がゲリラ的なアナーキズムな映画を撮るやつもいるからあげてくれと言って、これからもそういうものをどんどんやってくれという励ましの賞だと認識しております。これからも“バカ映画”を真面目に真剣に撮っていきたいと思っています!」

●特別敢闘賞 福井政文プロデューサー
「『いかレスラー』の脚本を持って行ったときはよく「お前本当に頭大丈夫か」と言われていましたが、最近は「あぁあの映画ね」と言って参加してくれる企業も増えてきていますので、20回記念には監督とぜひ大賞をとりたいと思っています!」

●撮影監督賞(富士写真フィルム奨励賞) 小松原茂監督 『恋するトマト』
「この映画は出来上がった後も配給がどこにも決まっていない状態で、いろいろすったもんだあった挙句、一般公開にこぎつけました。その後主役の大地さんなどが映画の講演会を行うなど、いろいろな形で映画がずっと上映され続けたことに対する賞だと思っております。」

●国際活動賞(田山力哉賞) 柴田駿
「ずっと一緒に仕事をしてきた川喜多和子は主に宣伝担当で、批評家の先生方からお褒めの言葉をいただくのが何よりの喜びだったので、この賞を16年前に亡くなった川喜多和子に捧げたいと思います。」

●ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞) 筑波久子・久里千春・桜井浩子

●ダイアモンド大賞 羽仁進・小沢昭一

(Report:菊田ひとみ)