1999年、初代・ビデオオリジナル版『呪怨』『呪怨2』が製作され、そのあまりの怖さはホラーファンの間で口コミで広がり、伝説となった。その製作から10周年となる2009年、『呪怨』の生みの親である清水崇の原案・監修、一瀬隆重のプロデュースにより、『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』 の2作が誕生。

そんな新たな伝説が始まろうとしている中、4月15日都内にて映画『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』 の記者会見が行われた。

登壇したのは、プロデューサーの一瀬隆重、原案・監修の清水崇、『呪怨 白い老女』監督の三宅隆太、南明奈、鈴木裕樹、『呪怨 黒い少女』監督の安里麻里、中村ゆり、瀬戸康史と豪華な顔ぶれ。

まず一瀬プロデューサーが「『呪怨』から10年がたち、またビデオ版のような怖い作品をつくりたいと思いました。またホラーは若い監督の登竜門でもあると考えているので、今回は新しい監督を起用して新しい『呪怨』をつくりました。」と『呪怨』復活のいきさつを説明。

次に一瀬プロデューサーとタッグを組む清水崇が「正直またやるの?!という思いはありましたが、ちょうど監督10周年にあたることもあり、原案・監修という形で関わることになりました。」と自身もまさかの復活だったことを告白。しかし「最終的に選んだ三宅監督と安里監督は二人とも以前から親交もあり、安心して製作することができました。それぞれの監督らしい『呪怨』に仕上がっていると思います。」と太鼓判を押していた。

『呪怨 白い老女』の三宅隆太監督は「これまでの『呪怨』にあった本質的な怖さ、人が人を呪うという痛み・悲しみといったものを大事にしながら、ネオ『呪怨』と言いますか、自分らしい新しい『呪怨』がなんとか出来上がったと思います。」と挨拶。

過去の呪いに遭遇するあかね役を演じた、本作で映画初主演の南明奈は「脚本を読んだときは本当に怖くて泣いてしまったけれど、とにかく頑張りました。撮影現場でも怖くて泣きそうになるのを我慢して頑張りました。」と熱演をPRした。

本作で初のホラー作品に挑戦、惨殺事件の第一発見者となる青年・文哉役の鈴木は「ホラー映画なのでこんな言い方をするのはあれですが、素直に楽しめました。僕が演じる役は普通の人なので、その普通さを出すために最初からホラーだという先入観を持たずに臨んだので。」と撮影を楽しんでいた様子であった。

一方、『呪怨 黒い少女』の安里監督は「私は『呪怨』というホラー映画がもともと好きで、そこで新しい『呪怨』をつくってほしいというお話をいただき、どういう方向で新しくしようかと悩みました。ですが『呪怨』に登場する俊雄くんという白くて小さな男の子のキャラクターが大好きで、幽霊をどう出すかという点に着目して、今回黒い少女というキャラクターを開発し、怖さを追求してみました。結構怖く仕上がっていると思います。」と自信作であることをアピール。

主人公の隣に住み、恐ろしい呪いに巻き込まれる徹夜役を演じた瀬戸は「『呪怨』は好きな作品で、何度も見返していました。出演できてうれしかったです。」と作品への熱い想いを語った。「ホラーの撮影現場はどよーんとしていて誰も喋らないのかと思っていましたが、実際の現場は和気藹々としていて楽しかったです。」と現場のチームワークも良かった模様だ。

霊力を持つ真理子役で、鬼気迫る除霊シーンを演じる中村は「般若心経を電車に乗っているときもずっと聞いていました。この映画でそんな新しい体験できました。ただ怖いだけではなく、人の内面がきっちり描かれている映画です。」

2009年夏にはWii『恐怖体感 呪怨』が発売され、いよいよ『呪怨』10周年プロジェクトが始動する。

(Report:菊田ひとみ)