『ベルサイユの子』ギョーム・ドパルデュー追悼バースデイ試写会にさとう珠緒が語る
5月2日(土)より、シネスイッチ銀座他全国順次公開いたします映画『ベルサイユの子』のトークイベントが行われました。本日、4月7日(火)は、本作の主演をつとめ、昨年37歳という若さで急逝したギョーム・ドパルデューの生きていれば38歳の誕生日にあたり、彼のこれまでの功績をたたえて、追悼バースデイ試写会を開催、ゲストには、高校時代からミニシアターに通いつめ、ゴダール、フェリーニ監督などをこよなく愛す大の映画好きのさとう珠緒さんをお招きし、映画『ベルサイユの子』とギョーム・ドパルデューについて熱く語って頂きました。
出演者様:さとう 珠緒
進 行:八雲 ふみね
八雲 ふみね(以下、八):さて、本日は映画『ベルサイユの子』ギョーム・ドパルデュー バースデー追悼イベントということで、珠緒さんは、既にこちらの作品をご覧になられたかと思いますが、まずは、ネタばれのない程度で、これからお客様がご覧になります『ベルサイユの子』のご感想をいただけますでしょうか?
さとう 珠緒(以下、さ):ずばり愛の映画ですね。そして、子供がかわいいし、素直だし、あの純粋さと、つぶらな瞳にやられちゃいました。母性をくすぐられます。一番印象に残っているのは、子供が「手を握って」という台詞を言うシーンです。
八:また、珠緒さんは高校時代ミニシアターに通われていたぐらい映画がお好きで、特にフランス映画の『ポンヌフの恋人』や『カミーユ・クローデル』がお好きだとお聞きしておりますが、フランス映画の魅力について、お伺いできますか?
さ:「アデルの恋の物語」高校時代に見たんですが、大のイザベル・アジャーニファンなんです。知的なところが好きです。
八:最近は、ミニシアターなど映画館に行かれていますか?
さ:減ってきてますね。行き癖がつけば行くんですけど、これを機にまた通いたいと思います。
八:映画に行くシチュエーションは?どなたか素敵な男性と?
さ:素敵な男性だったらいいですけど、だいたい一人です(笑)映画が終わって一人で映画にひたりながら帰ります。シネスイッチ銀座の場所っていいですよね。
八:そして、本日はギョーム・ドパルデュー追悼ということですので、ここで簡単に彼についてご説明させていただきますと、
彼は、フランス映画界のドン・ジェラール・ドパルデューを父に持ち、小さな頃は、仕事で家にいない父からほとんど愛情を受けずに育ち、窃盗、シンナー、ドラッグなどで警察のご用になることもしばしばでした。ギョームはその事について「とにかく必要なときに父親にそばにいて欲しかった」とコメントしています。
その後、『ポーラX』で、世界的に名を広めた頃、父との確執が本格化しマスコミの餌食に。また、不幸にも95年に起こしたバイク事故の感染症で、2003年に足を切断するはめになります。それでも、ようやく役者として、父ジェラールと同じ土俵で戦っていた最中、昨年、映画の撮影中に急性肺炎を患い、37歳という若さで、突然の死を迎えることになりました。
このように、才能がありながら、不運な人生を背負って生きてきたギョームだったんですが、珠緒さん、ギョームという役者の印象についてお話いただけますか?
さ:彼はほんとにアーティストですね。普通の人生を送れなかったけど、そういういろんな人生を歩みながら成長していく。彼の作品から彼の繊細さがにじみ出ていますね。こきたなくてもかこいい(笑)ジョーニー・デップみたい。世の中にもそういう人がたくさんいるといいな。自分の周りにはあまりいないかな。なんか無精髭ひとつとっても違うんですよ。髪がぼさぼさなのもまた素敵(笑)
八:ギョームさんは、すごくいい役者になったと思いますし、大人の魅力もすごくでてきていたので、今回の急逝はホントに残念ですね。(ギョームについて一言)。彼の死は、フランスでトップニュースで取り上げられて、葬儀には大統領夫人のカーラ・ブルーニさんや、ヴァンサン・カッセル&モニカ・ベルッチご夫妻、「ポーラX」のレオス・カラックス監督など多数の著名人が来られたようなんですが。ここで、葬儀の時に父ジェラール・ドパルデューが読み上げた”星の王子さま”の文章を紹介したいと思います。
「その夜、私は彼が出発したことに気がつかなかった。
彼は物音ひとつたてずに去っていった。
私がようやく追いついた時、彼は毅然とした表情で足早に歩いていた。
彼は、私にこう言っただけだった。
“あぁ!来てくれたんだ…”
彼は私の手を取った。だが、それでもまだ不安げだった。」
「わかってくれるよね。遠すぎるんだ。
ぼく、とてもこのからだを持ってけないよ。重すぎるんだもの。」
これは、星の王子様が、空に上っていくときのセリフで、
“僕は死んだんじゃなくて、空まで体が重すぎて持っていけないだけなんだ。”
ということなんですが、
確執がありながら、ギョームを愛していたお父さんの言葉は感動的ですよね。
いかがですか、珠緒さん?
さ:お父さんのジェラールも、不器用なんだけど、心の底から愛していたんだなってよくいわかります。マスコミにおもしろおかしく書かれて、言いにくかったけど、愛してたんだなと暖かい気持ちになります。
八:トークも盛り上がってきたところで非常に残念ですが、そろそろお時間となってしまいましたので、最後に、本日はギョーム・ドパルデューのお誕生日ということで、こんなものをご用意してみました。どうぞ!
〜ケーキ登場〜
八:こちらは、吉祥寺にあるAK Labo(エーケーラボ)のパティシエ・庄司さんにご協力をいただき、お作りいただきましたクロカンブッシュです。珠緒さん、ご覧になられていかがですか?
さ:きゃー、素敵ですね。みとれちゃいます。リボンがフィルムになってる!
八:それでは、このカワイイケーキと一緒にフォトセッションを行わさせて頂きますので、
珠緒さん、ケーキの横にお立ちいただけますでしょうか。
〜フォトセッション〜 ケーキとパネルの前で撮影
八:せっかくですので、珠緒さん、こちらのケーキを味見していただけますでしょうか?
さ:甘すぎず、大人の味がします。とってもおいしいです。
八:それでは、そろそろイベントを終了させていただきますので、最後に一言、珠緒さんお願いできますでしょうか?
さ:愛を感じる映画です。ギョームのことを想いながら、みなさん楽しんでください。
八:さとう珠緒さん、ありがとうございました!