製作までには、5年!その内の1年半をキャスティングに費やした映画が日本にやってくる!。ドラマ『宮〜Love in Palace』の皇太子役でブレイク、最近では映画初出演にして主演を果たした『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』で人気を不動のものとしたチュ・ジフン。共演には、実力と人気を兼ね備えた女優として評価の高いシン・ミナ。実力派俳優のキム・テウ。この3人が織りなす、秘密のトライアングル・ラブストーリー『Kitchen キッチン 〜3人のレシピ〜』である。メガホンをとったのは『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』にて脚色を担当した新鋭女流作家ホン・ジヨン。
同作品の来日記者会見が、先月3月31日東京・恵比寿のウェスティンホテルにて開催され、前日に行われた「アンティーク/西洋骨董洋菓子店」のジャパンプレミアにも出席したジフンが登壇。本作が初メガホンとなるホン・ジヨン監督とともに映画について語った。

鮮やかな青のジャケットを着て春の装いで現われたジフンは、「出来る事なら3人で来たかったのですが、都合上1人で来てしまいましたが、頑張ってこなしていきたいと思っています」と挨拶。役所について、フランス帰りで、どこか小悪魔的だが愛に正直に生きる男性・ドゥレを演じたジフンは、「若い頃、いまよりも感情表現がストレートだった部分や、日常の中にいろんな幸せを見つけられるところは自分と似ていると思います」と語っている。しかし天才と呼ばれる裏側にも苦労はあったようで、フランス語の歌を披露しているが、このシーンはかなり苦戦したそうである。「監督から渡されたフランス語の曲を練習しましたが、到底できないと思いフランスに留学経験のある監督から細かい発音を教わりました。それでもダメだったので、最終的にフランス語の先生についてもらいました」と暴露。でも結局「無事にやり遂げたと思っていたのに、アフレコで撮り直しました」と努力が無駄になってしまった事まで明かしてくれた。

ホン・ジヨン監督はキャスティングを長い期間かけて考えた事に対し、「非常に長い月日でしたが、何よりも俳優の方たちに自然な演技をして頂く事が大切だと思うので、3人の調和、関係性を考えてキャスティングしました。本当に素敵な俳優達のおかげで、新しい恋愛の形を表現する事が出来ました」と俳優陣達を称賛。元々、村上龍のエッセイ集「恋愛の格差」にインスパイアされて本作を描いた監督だが、劇中の美術など日本から発想を得た部分も多い。「日本を訪れた際に、表参道や代官山を疲れ果てるまで見て回り、映画の空間や小物はその影響をかなり受けています。日本で目にした物は本当に自然に受け入れられたし、この映画の静かでゆっくりとした雰囲気は、日本の映画に通ずるのではないかと思います」と日本に対する気持ちを語ってくれた。そして「正直な恋愛感情は、日本でも韓国でも共通するものなので、この映画が日本でも静かに流れ、輝かしいものに育っていけば嬉しいです」とメッセージを贈った。

「自分たちが生きている、そんな小さなことが輝いて見えると思う」。そうチュ・ジフンが語る『キッチン〜3人のレシピ〜』は5月30日(土)よりシネカノン有楽町2丁目、ヒューマントラストシネマ文化村通り、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。