/7(土)、銀座テアトルシネマにて、国内だけでなく世界の各界著名人を魅了してきた写真家・操上和美の第一回監督作品『ゼラチンシルバーLOVE』初日舞台挨拶に、操上和美監督、永瀬正敏さん、宮沢りえさんがご登壇されました。
本作品は、写真家独特の観察眼で捉えたとても美しくエロティックな映像と物語を堪能する映画。仕事の依頼で女を盗撮し続ける男役を演じた永瀬正敏さん、24時間撮られる美しい女役を演じた宮沢りえさんらの圧倒的な存在感が際立つ作品となっています。

MC:みなさま、初日迎えられておめでとうございます。操上監督、映画の公開初日という日を迎えられたお気持ちはいかがですか?
操上監督:お忙しい中ありがとうございます。今回は、素晴らしい俳優に恵まれて初作品を作り上げることができました。皆様にご覧頂けることを光栄に思います。

永瀬さま:やっと公開初日を迎えられてほっとしております。この作品を可愛がってあげてください。

宮沢さま:皆さんの前にお目見えできてうれしいです。操上さんの初監督作品という歴史的瞬間に立ち会えたことにとても喜びを感じております。楽しんでいってください。

MC:写真家としてずっと活躍されてきた操上監督、初めて映画を撮ってみての感想は?
操上監督:今日僕が首から下げているカメラは、初めて買って何十年も愛用してきたライカです。撮影の二か月前くらいから、永瀬さんにこれをお渡しして、このカメラに慣れてもらいました。永瀬さんは写真を撮っているから慣れてはいるけれど、僕のやり方も少しお伝えしました。そうすることで「役」というよりは、自分自身という存在で場の空気を作ってくれると思っていたからです。
永瀬さんは写真家としてのの身のこなし方が完璧でした。役柄としては、ややマイナーなタイプの役ですけど、存在感が素晴らしかったですね。
りえちゃんとは、16歳のころからの付き合いです。今回は「美しさ、脆さ、芯の強さ、セクシュアルな存在」を考えたらり彼女しかいなかった。 素晴らしい空気を作って頂いたと思います。そして僕はそれをじっと見つめるだけで撮ることができたので、とても幸せでした。
永瀬さま:意義な時間を過ごさせて頂きました。セリフはとても少ないですけど、操上さんの画の力が物語を引っ張っていると思います。

MC:宮沢さんは以前から操上監督の被写体にもなられていたとお聞きしましたが、『ゼラチンシルバーLOVE』の撮影での監督とのお仕事はいかがでしたか?
宮沢さま:昨今、言葉・情報で溢れていますけど、この映画はそれらに頼らずに、「静寂自体が語っている」という印象をもちました。それは操上さんご自身にも通づることだと思います。細かな演出はされないんですけど、現場の空気が私たち役者を演じさえてくれたと思います。あまり味わったことのない現場で、台本も普通のものとは違い、最初は戸惑ったんですけど、想像力をとても強く喚起させられました。

MC:動物が持っている本能や性(さが)という部分を、静かにそれでいて肉感的に描いてらっしゃると感じたのですが、みなさんはこの映画に登場する男と女をどう思われますか? 共感できる部分は?
操上監督:とある虫の本能からヒントを得て、それを人間に置き換えて脚本を書き上げました。
男・女が潜在的に持っているものを描いたつもりです。観た人がなにかしら共感できる部分はあると思います。
永瀬さま:もちろん僕らはこの作品の演じ手なので、共感して演じさせて頂きました。
宮沢さま:あまり言いたくないです!観た方の心に芽生えるものが一番のことだと思うので、敢えて何も言わずにいたいです。