第59回ベルリン国際映画祭にて、映画『花の生涯〜梅蘭芳〜』の記者会見&レッドカーペットが、現地時間2月10日(火)に華やかに行われました。
今回が初の正式出品の陳凱歌(チェン・カイコー)監督作品とあって、現地での注目度も高く、Hyat Hotelで行われた記者会見には記者が150名以上、スチールカメラ30台、TVカメラ20台といった多くの報道陣が集まりました。

記者会見の出席者は、陳凱歌監督をはじめ、レオン・ライ、チャン・ツィイー、監督の妻でもあるチェン・ホン、そして日本から安藤政信が出席。記者からも立て続けに質問が飛び、国際映画祭らしい鋭い質問も多く出ました。

【会見】
陳凱歌監督
Q:中国の今の世代の監督たちはコマーシャリゼーションが進んでいるように思うが。
A:アートハウスなのか、あるいはコマーシャルな映画なのかは重要ではないし、それは見た観客が決めればいいことだと思う。ただ言えるのは、中国映画はまだまだこれから発展すべき余地はいくらでもあり、それは俳優たちも同様だということですね。

チャン・ツィイー
Q:30歳の誕生日を迎え、映画『初恋のきた道』以来久しぶりにベルリンに戻ってきた気分は?
A:『初恋〜』では銀熊賞をもらったし、とても思い出深い場所。それ以来とても恵まれた女優としての人生を歩んだと思う。今回もすばらしい監督に出会えました。

Q:この映画のように昔の時代のコスチュームを着る役が多いと思いますが、現代劇に出るつもりは?
A:出る映画を決める基準は、脚本がいいかどうかなので、時代とかはあまり考えていません。またハリウッド映画のほうが重要かというとそんなこともないです。ちなみに今は現代を舞台にしたコメディを撮っているので楽しみにしていてください。

レオン・ライ
Q:今回の演技に対して厳しい評価もあったようですが。
A:それは認識している。だが、この映画の前にも悪い評価をされたことがあるし、もしその厳しい評価がフェアなものであれば、それは真摯に受け止め、自分が向上できる糧にすべきだと思っています。ただフェアな評価かどうかを見極めるのは大事だと思う。

Q:ポップ歌手としては有名ですが、京劇スタイルの歌い方を今までしたことは?
A:今回が初めてでとても難しかった。もちろんCDなどで歌は何度も聴いたが、京劇のスタイルは本当はある世代から次の世代へと丁寧に引き継がれていくものなで、マスターするのは簡単ではないですね。

安藤政信
Q:本作品の撮影には、どのような姿勢で臨まれましたか?
A:日本では京劇はそれほど有名ではないので、京劇のことや、梅蘭芳という人物についてや当時の中国の背景などをしっかりと学んで撮影に臨みました。

それぞれ、7ヶ月の長い撮影期間をかけて作られた本作品に対して、終始、自信に満ちた表情で質疑応答を行っていました。

【レッドカーペット】
なお、同日の18:00よりベルリン・パレスに場所を移動してレッドカーペットが行われました。天候が雨にもかかわらず、多くの観客も集まり、非常に良い雰囲気の中で行われました。
チャン・ツィイーは「久々に安藤さんに会いましたが、雰囲気が変わりましたね。安藤さんはハンサムだから、
私の友だちがみんな彼ばかり見ている。『花の生涯〜梅蘭芳〜』での安藤さんの演技は素晴らしい」などと話をし、大変仲の良い雰囲気でした。

映画祭ディレクターが全員をカーペットで出迎え、会場内へと。URANIAで行われた公式上映では、866席が満員になり、終映後は盛大な拍手が続きました。
安藤政信は、「非常にいい経験をさせてもらった」と感動した様子でした。

現時時間15日に発表になる賞の期待も高まる公式上映でした。