映画『7つの贈り物』のプロモーションのため、主演ウィル・スミスが『ハンコック』からわずか半年、10回目の来日を果たした。一緒に来日したのは共演者であるロザリオ・ドーソンと、『幸せのちから』でもタッグを組んだ監督ガブリエレ・ムッチーノ。

9日(月)に行われた来日会見では、時差ボケをも感じさせない明るい笑顔で登場し、「1年でもう3度も来日しているから、そろそろ市民権がほしいよ」と、ウィルらしいコメントで冒頭からマスコミ陣を笑わせた。そして、『幸せのちから』以来となるガブリエレ・ムッチーノ監督には「僕と仕事をするのは2回目だね。ウィル・スミスというすばらしい俳優と仕事してみてどうだったかな?」と片眉を上げて問いかけると、「こんな調子で3年も付き合ってるんだ(苦笑)」と監督。

今回ウィル・スミスが演じるのは、心に傷を抱え、何の関係もない7人の運命を永遠に変える贈り物を渡そうと計画立てる謎の男ベン・トーマス。ベンが独り涙を流すには理由がありそうだが、監督とウィルは本作についてこう話す。
「この脚本では強い愛の力が描かれていて、そこに惹かれた。“愛と自己犠牲”“愛と死”そういったものを考えさせられたよ。こういう独創的な作品をハリウッドで作れてよかったと思う」(監督)
「本作にある、痛みと喪失の部分に深く共感した。また、男でも強い部分と弱い部分があるわけだけど、そういったいろいろな面を感情込めて描けるのがムッチーノ監督なんだ」(ウィル・スミス)

ウィルとは『メン・イン・ブラック2』以来の共演となり、本作ではベン・トーマスの計画を大きく狂わせてしまう女性エミリーを演じたロザリオ・ドーソンは、「人はいつまでも生きられるものと思いがちだけど、(余命幾ばくかの)エミリーという女性を演じて、一瞬一瞬生きようとする彼女の“生”への情熱に惹かれたわ」。

また、「本作のように自分にとって人生を変えるような贈り物を今までもらったことは?」との問いに、ウィルは「監督は僕と仕事をしたことが一番の贈り物じゃないかな?」とジョークを言いながらも、「僕にとっては祖母との思い出が贈り物かな。よく一緒に教会へ行ったり、絵本を読んでもらったりしていたんだ。絵本を通して人生に対しての考え方を教えてくれたね」と懐かしげに語った。ロザリオも「祖母と母からもらった愛はかけがえのないもの」とし、監督も「子供ができたこと。自分の人生が意義あるものに変わったからね」と、家族への愛をそれぞれ口にした。

本作ではウィル演じるベンと、ロザリオ演じるエミリーとのラブストーリーも大きな見どころとなっているが、ここでラブシーンについての質問が出ると、すかさずウィルは「いいところだけを言えよ」とロザリオに耳打ち。しかし、呆れながらも話し始めたロザリオの口からは意外なウィルの一面が語られた。
「リハーサルを行っていたとき、私も彼もすごくデリケートになっていたの。あるラブシーンを演じるとき、彼から“手はこのとき太ももに置いたままでいいのか”とか、動きに関してやたらと細かく質問されたことがあったんだけど、それくらい神経質になっていて、私がイメージする怖いものなしのウィル・スミスとは全然違っていたから驚いたわ(笑)」

すると「ラブシーンってぎこちないものなんだ。監督もレンズ越しにずっと見てるし、スタッフもたくさんいるし、もちろんやるのは“フリ”なんだけど。こんな感じで・・・」と、通訳さん相手に抱きつこうとするなど常にハイテンションのウィルに会場も大爆笑。その後、「いやらしさ丸出しなところを見せたくなかったんだ。神経質なんじゃなく、女性に敬意を払っただけさ」としっかり弁解してみせた。

そして「本作にはたくさんの人の愛情が注がれている。だから人を愛したことのある人全てに影響を与える映画だと思う。今回は爆発、エイリアン、特殊効果などに頼らない作りになっているから、皆さんにはすばらしい僕たちの演技とエモーショナルな感動を感じ取ってほしい」と、自信に満ちた笑みで語った。

(Report:Naomi Kanno)