1999年から「ビッグコミックスピリッツ」誌上で連載を開始した「昴─スバル─」は、従来のバレエ漫画ではあり得なかった圧倒的な迫力で読者を魅了。青年漫画誌での連載ながら女性層を巻き込み、異例の大ヒットを記録した。

そんな最強の漫画がこの春、映画となってスクリーンに登場!! 2月2日(月)グランドハイアット東京にて映画『昴─スバル─』の会見が行われ、天才バレエダンサー“宮本すばる”役を華麗に演じた黒木メイサと、厳しくも温かくすばるを見守るショーパブのオーナーを演じた桃井かおりが登壇、そして本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたビル・コンも来日を果たした。

まず、バレエ未経験だったという黒木をオーディションで選んだ理由をビル・コンはこう語った。
「当初からこれはすばる無くしては語れない映画だと考えていました。そこでバレエ経験者も含めて何百人もの方とお会いしましたが、決め手となるものを見出せませんでした。そんな2006年、舞台『あずみ』で演じている黒木さんを見たときに、やっと見つけた・・・と思ったんです」

その発言を受けて黒木はうれしそうにほほ笑み、「バレエ未経験だったので、監督とビル・コンさんにお会いする前に少し練習したんですよ。オーディションでは即興で演技をしたんですが、常にプレッシャーを感じていました」と語った。

また、ビル・コンに「すばるを見守る役は彼女しかいない」と言わしめ、バレエ経験者でもある桃井は「チャン・ツィイーや真田(広之)さんからもビル・コンの評判の良さは伺っていたからぜひ参加したかったの」と笑顔でコメントし、また二十歳にして主役を立派にこなした黒木に対しては「(二十歳と聞いて)えー!そんなに若かったの?この子は本当に性格がいい。私も19歳でデビューして見事に大役を務めてきたけどね」と、桃井節健在といった様子でマスコミを沸かせた。

また、本作は監督にリー・チーガイ(『不夜城 SLEEPLESS TOWN』)、美術監督に種田陽平(『キル・ビルVol.1』『ザ・マジックアワー』)、衣装に黒澤和子(『どろろ』『シルク』)とアジアの中でも超一流のスタッフが結集。上海ロケも敢行するなど、まさにアジア全体を巻き込んだ壮大なスケールといえる。
そして3月20日の公開に合わせ、中国・香港・韓国・シンガポールなどアジア諸国でも同時期に公開予定となっているが、それについてビル・コンは「この映画の原作である漫画は、アジア中で大人気なんです。もちろんヨーロッパなどでも。ですからこのような形で映画化できるのは大変光栄です。アジアの人たちに楽しんでもらいたいので、実は国ごとにバージョンを変えて編集しようかな?ということも考えています」と驚きの発言も飛び出した。

本作では、バレエに真摯に向き合いひたむきにがんばるすばるの姿が人々に大きな感動を与えるが、すばると同世代の人たちに向けて出演者のお二人は、「自分の信念を持って物事を最後までやり通してください」(黒木)、「じゃあ、私はちょっと反対意見言っちゃおうかな。私は役者以上にバレエを真剣にやっていたけど、挫折しました。その分、本当にショックは大きかった。でも、どれだけがんばっても挫折するときってあるのよね。そういう挫折感を味わうことも大切だと思うわ」(桃井)と、自論を展開させた。

主題歌は倖田來未、メインテーマは東方神起が歌うというところにも注目だ。

(Report:Naomi Kanno)