日本映画を代表する5人の監督が描く『Theショートフィルムズ/みんな、はじめはコドモだった』初日舞台挨拶
現在の日本映画を代表する5人の監督が“こども”をテーマに描いたショートフィルム5篇『Theショートフィルムズ/みんな、はじめはコドモだった』が、12月23日より有楽町スバル座にて公開される。
本作は朝日放送新社屋完成記念事業の一環として製作され、2008年7月に無料招待上映された。そして今回、多くの方々からの要望により劇場公開に踏み切る形となった。
わたしたちが未来を考えるとき、そこに“こども”の姿は欠かせない。だからこそ、いま、“こども”を見つめてみませんか?そんなところから、これらのショートフィルムは生まれた。企画に賛同し、想い想いの作品を綴ったのは、日本映画を代表する5人。いずれもこれまでに“青春”や“家族”を見つめた秀作を残してきた監督たちだ。
「TO THE FUTURE」の井筒和幸監督は、とある小学校を舞台に奇妙な先生と屈託なく生きる生徒たちのたくましい日常を描き、「イエスタデイズワンスモア」の大森一樹監督は、母親を助けるために早く大人になりたいと願う少年の辿る運命を時代劇ファンタジーとして、「ダイコン〜ダイニングテーブルのコンテンポラリー〜」の崔洋一監督は、娘は夫と別居中、親はまもなく年金生活と、複雑な事情を抱えながらも本音を吐露しあって淡々と生きる親子の姿をユニークな視点で見つめる。「展望台」の阪本順治監督は、おなじみの通天閣の展望台に置き去りにされた子どもと自殺願望のある中年男との心の交流を、また「タガタメ」の李相日監督は、知的障害を持つ中年の息子をかかえた年老いた父親の切実な思いを笑いを交えて綴る。ほっこりとしたぬくもりも、笑いも涙もあるものの、単にそれだけに終わらずにシニカルな視線も見え隠れするこの5篇は、それぞれの監督の個性に富んだ、どんな長編に勝るとも劣らぬ珠玉の物語。
上映後には、きっと何か大切なものが、あなたの心に残るはず・・・