12月6日(土)、北海道旭川市、シネプレックス旭川にて、映画『旭山動物園物語〜ペンギンが空をとぶ〜』の完成披露試写会舞台挨拶が行われ、極寒にもかかわらず、会場にはキャパシティいっぱいの、200名余りが駆けつけ、大いに盛り上がりました。

登壇者:マキノ雅彦監督、旭山動物園園長・小菅正夫、旭川市市長・西川将人、角川映画社長・井上泰一

<舞台挨拶>
西川市長:マキノ監督には、旭川の観光大使、そして旭山動物園の特別アドバイザーとして、旭川市のPRに大変お世話になっています。私自身も多々涙した、この素晴らしい作品を、旭川市民の皆さん全員にご覧いただければと思います。多くの人が観てくれれば、歴史に残る作品になると思うので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

小菅園長:多くの方々のお力、応援のおかげで、現在の動物園がある。旭山動物園を育ててくれた皆様に感謝しております。映画化のお話を頂いた時、初めはピンと来ませんでしたが、監督といろんな話をしていくうちに、実感が湧いてきました。動物のシーンでは、CGを使う必要も出てくるだろうと思いましたが、私自身も
見たことがない、動物たちの貴重な姿が撮れていて、非常に驚きました。監督が「映画は銀幕に映るまで完成したとは言えない」とおっしゃっていましたが、今日この日を迎えられたことを、非常にうれしく思います。

マキノ監督:大自然の中、イキイキとしている旭山の動物たちを初めて見た時、こういう環境を作った人々はもっと凄いのだろうと、映画化したいと思いました。奇跡が何度も起こり、望んでいた動物のショットを全て撮ることができました。旭山動物園の飼育係は、自分が担当したい動物の飼育を任されます。旭山動物園の成功の一因として、小菅園長や坂東副園長が、動物に関して全くの素人だったこと。素人だったからこそ、自由な発想ができ、行動展示というクリエイティブな展示方法を生み出したのだと思います。映画でしか伝えられないメッセージを本作に込めました。

井上社長:旭川の市民の皆様のおかげで、この映画を撮影し、完成することができました。応援のほどよろしくお願い申し上げます。

また、舞台挨拶後の記者会見の中で、小菅園長およびマキノ監督が撮影時のエピソード等を語りました。

<記者会見>
小菅園長:サル山のシーンでは、最低気温がマイナス31度で、普段猿が舐めるはちみつが凍ってしまい、サルが凍ったはちみつにかじりついていました。普段見ることのない珍しい表情をしていました。本当に寒くて、冬靴を履いていても、足の底から凍ってくる感じで、撮影隊が大変そうでした。

マキノ監督:園長演じる西田さんも助けてくれました。学校での講演のシーンで、子どもたちがたくさん集まってくれましたが、撮影が長くなるにつれ、次第にだれてきた。そこへ西田さんがアカペラで“もしもピアノが弾けたなら”を歌ってくれて、子どもたちが元気を取り戻したんです。これも、西田さんの温かい性格のおかげだと思います。また、台本が出来た時、本当に撮りきれるのか?動物たちが演技できるのか?非常に不安でした。ゾウが雪を投げるなんて無茶なこと。だから、映画が完成した時、感激して泣いてしまいました。

さらに映画の上映終了後、お客様の拍手の中、マキノ監督並びに小菅園長がお礼の舞台挨拶を行い、監督から園長に、そして市長から監督に花束が贈られました。

<上映後舞台挨拶>
小菅園長:もう一度、この映画を観る勇気はありません。観たら、泣き崩れてしまうから。僕らが描いたものが、しっかりと伝わる作品です。

西川市長:今日また映画を観て、涙があふれました。旭川の映画として、市民の皆さんで、『旭山動物園物語』を応援してほしいと思います。

観客として会場に駆けつけていた、映画の実在のモデルである、旭山動物園の飼育係・坂東さんと牧田さんが、マキノ監督から感想を聞かれると、マル印の手を挙げて絶賛。マキノ監督が感動し、涙で言葉にならない一幕もありました。