『猟奇的な彼女』、『僕の彼女を紹介します』、『僕の彼女はサイボーグ』のクァク・ジェヨン監督の最新作『最強☆彼女』の初日舞台挨拶が11月29日(土)シネマート六本木にて行われ、来日中のクァク・ジェヨン監督が登壇し、「みなさんこんにちは。クァク・ジェヨンと申します」と日本語で挨拶した。

 これまでの“彼女シリーズ”の中で、“強い女の子”と“ちょっと頼りない男の子”の恋愛物語を描いてきた監督の最新作は、韓国を舞台に“武林(ブリン)“という武術の名家に生まれ、武術一筋に生きてきた強い女子大生ソフィ(シン・ミナ)が、ユゴン演じるカッコイイ先輩に一目ぼれしたことから武術をやめ、かわいい女の子になる!と決意する物語。しかし彼女の強さはなかなか隠せず、さらには同じ武林の名家の息子で幼馴染のイリョン(オン・ジュワン)も現れ、ソフィの恋も武術も前途多難に。
 
今作では、クァク・ジェヨン監督がかねてから取り入れたかったというワイヤーアクションが劇中の至るところに使われており、見所のひとつとなっている。武術に抜きん出た若者を演じたシン・ミナとオン・ジュワンは激しいワイヤーアクションが多く、監督は「(ワイヤーアクション用の厚い衣装を着て)2人とも夏の暑い厳しい環境のなか頑張ってくれた。シン・ミナさんは撮影中、常にワイヤーで吊るされていてまるでスパイダーマンのようだった。オン・ジュワンさんは壁から落ちるシーンで、カットがかかった後に倒れたこともあった。」と、俳優陣を労うように撮影を振り返った。

とても強くてチャーミングな女性を主役にするのは、「(そのような女性に対する)幼少期からの憧れから来ている。自分の娘たちにもそうなって欲しいと。」話し、父親としての一面を見せた監督。
娘さんたちとちょうど同じ年頃だという主演の若手俳優シン・ミナ、オン・ジュワン、ユゴンについて聞かれると、「(シン・ミナは)とても魅力的な女優。彼女の持つ可愛さを表現した。」と話す一方で、彼女の遅刻癖を叱ったこともあるとの裏話も。オン・ジュワンとユゴンに関しては「2人とも同じ大学で、撮影中も仲が良かった。オン・ジュワンはダンスが上手く、(劇中に使おうと)撮ったのだが、エキストラの人の方が上手だったのでそちらを使うことにしてしまった。」と話すと、客席からは笑いが起こった。

 舞台挨拶後のマスコミ用フォトセッションでは、監督自ら映画にちなんで武術のファイティングポーズをとってカメラマンにアピール。「次は普通に(ポーズをとって)」というカメラマンの声にも、いたずらっ子っぽく笑ってまたファイティングポーズをとり、監督のサービス精神旺盛さが見られる場面も。この“若さ”が、若者に愛される恋愛映画を撮り続けられる秘訣なのかもしれない。
本国韓国での公開から約2年越しとなった日本公開を記念した花束が贈られると、監督は「今回は苦労した。多くの方に観て欲しい。」と語り、盛況の内に舞台挨拶は幕を閉じた。

今回の来日では、映画PRの他にCM(パナソニック)を1本撮ったクァク・ジェヨン監督。「悲しいながらも美しい作品に仕上がった」という2分間のCMは、今月23日(火)の21時ごろから日本テレビのスペシャル番組内で放映される。番組終了後はパナソニックのHPでも閲覧可能になるとのことだが、テレビでは1度限りの放映なのでお見逃しのないよう。

(Report:Michiko TANAKA)