アスミック・エース エンタテインメントは、森田芳光監督12年ぶりとなる完全オリジナル作品『わたし出すわ』を新作邦画として立ち上げ、11月16日(日)より函館にてクランクインした。

本作は、06年に『間宮兄弟』でアスミック・エース エンタテインメントとタッグを組んだ森田芳光監督の完全オリジナル脚本。96年の『(ハル)』以来、実に12年ぶりのオリジナル作品となる。81年の『の・ようなもの』以来、精力的に作品を撮り続け、近年では『間宮兄弟』(06)、『サウスバウンド』(07)、『椿三十郎』(07)と、その多彩な作風はスクリーンを通し、常に新鮮で、深遠な<テーマ>を世の中に投げかけている森田監督が本作でモティーフにしたのは、誰にでも必要で卑近な「お金」。その存在、その使い方、その考え方を通して人間性を描き出す。

本作の主人公を演じるのは、『ラストサムライ』(03)、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、そして09年公開待機作品『BLOOD The Last Vampire』(共演:チョン・ジヒョン)など、邦画界のみならず、世界にその存在感を示している小雪。森田監督作品は初出演となります。突然帰郷し、かつての同級生の「夢」や「希望」に自らの財を出していく女性を演じる。
森田監督と小雪、両者のコラボレーションで生まれる本作の完成をぜひご期待ください。

■映画『わたし出すわ』を作るにあたり 監督:森田芳光

お金はひとにとって、とても大切なモノである。それによって欲しいモノを買える、生活が出来る、子供を育てられる、病気を治せる、大きく言えば国を変えることも出来る。そんなお金の価値観も人様ざまである。お金が全てではない、お金で買えないモノもある、たしかにそうである。そんなお金の使い方ひとつで、何事も進化したり退化したり、使い方そのものが人の品性に表れる。
この作品では、あるブラックマネーで莫大なお金を手にした女性のお金の使い方に焦点をあてた。高校時代の友達が、今、何をしているか。その友達たちにお金を援助することによって、自分のアイデンティティを持とうとした。そういうことによって、その人の夢と現実が見える、自分のお金がその人たちの未来を変える。ブラックマネーを手にした女性が考えたその話は様々な結果を迎える。
お金を人に投資する(わたし出すわ)それによって、今までなかったコミュニケーションが作れる。その女性はそれが楽しかった。その人と会う時間、場所、雰囲気、不条理な援助に対する友の反応、それが価値だった。今の世の中、お金を使う、その目的を考える時期なのかと思う。地球環境にお金を使う、それはどの分野で?なぜ自分がそこに出すか?たとえばの話、そのことだけでも様々な使い道がある。もし自分が大金を掴んだら何に使うか。そのことを考えることによって自分がわかる、という自分問いかけ。
 そして、今、お金のまわりかたは正常なのか等々、大きくも小さくも考えられる命題である。経済が人の生活を大きく左右している現在、お金の使い方が不条理に感じられる今だからこそ僕はこの話が必要だと思った。

■主演:小雪さんからのコメント
Q:森田監督とのお仕事について期待していることや印象は?

A:森田監督は、独自の世界観を持っている方なので、初めてお会いしたときも、どのように自身の気持ちを伝えていけばよいのかとか、私が監督のお話を理解できているかと思うほど、何か不思議な魅力を持たれている方ですので、今回とても楽しみです。自分自身が 100%わからないこととかを模索していける作品になるのではないでしょうか。この作品は、テーマが「お金」とか「お金の使い方」などを定義として作られているので、監督を通して、私もそのテーマについて新たに発見してみたり、皆さまに伝えていけるメッセージを見出していけたらと思います。監督とのお仕事を本当に楽しみにしています。

Q:他出演者との共演含め、本作撮影に対する抱負

A:今回共演させて頂く方とは全員初めてなので、そのセッションもすごく楽しみですし、また森田さんの世界観を自分を通してどういう風に伝えていけるかも私自身すごく楽しみです。良い時間を、良いスタッフと良い共演者とともに過ごせたらいいなと自分自身も楽しみにしています。