ユーロスペースにて大ヒット公開中の、夢とうつつの間で不思議な現代的「昭和幻想」世界を展開していく映画『真木栗ノ穴』。公開を記念して、ゲストの古厩智之監督をお招きして深川栄洋監督とのスペシャルトークショーを行いました。

—まずは古厩監督に『真木栗ノ穴』をご覧になった感想を伺いたいと思います。

古厩:久々に映画っぽくて楽しかったです。エロかったです。ヒッチコックの『裏窓』のような、こっちがあっちを覗く、向こうから来るものを受けるだけで、凄く眩しいものが向こう側にあるけどこっちは暗くて動けない、 というような感じが面白かったです。

深川:『真木栗ノ穴』という映画を覗いているような感じですか?

古厩:そうですね。映画を観ること自体、穴を覗いているようなものだと思うので、その辺が絶妙に合っていて気持ち良かったです。

深川:有難うございます。作っている時に観ているお客さんに『真木栗ノ穴』を覗いているような感覚で観て貰えたらいいなと思って演出していました。

古厩:色々と巧妙に演出されていて、例えば粟田麗さんが登場する時は必ず風が吹くんですよね。あれ良いですよね。あと、西島秀俊さん演じる真木栗が覗く穴の位置、エロくて良かったです。

深川:あの位置にもこだわりました。あそこから覗くと本当に片足が上がるんですよ。もうこの作品はR指定かかってもいいから、いやらしい部分をいかにエロくするか、ということにこだわりました。

古厩:西島さんも凄く良かったですね。“あれ空き巣だ!”ってなって真木栗がポケットから財布を出して確認するシーン、あれは何ですか?

深川:彼の小ささを出したかったんですよね。5千円が全財産だったんだろうな、ということを見せることで真木栗の小ささが見えるというか。

古厩:小ささが段々気持ち良くなって来ますよね。部屋の隅っこにいるのが気持ちがいいような感覚ですね。 

—最後に今後のご予定を教えて下さい。

古厩:現在公開中の『ホームレス中学生』、面白いですから是非観て下さい。

深川:僕も観させてもらいましたが、1時間半位たったころに戦っている瞬間がでてきて凄く良いので、その瞬間を確かめに行くのもいいんじゃないでしょうか。是非観て下さい。