小さなコドモたちの大きな奇跡の物語<ファンタジー>『コドモのコドモ』(全国順次ロードショー中)の監督×原作者×脚本家の3人が、皆様に感謝の気持ちを込めて渋谷シネ・アミューズの楽日に「ありがとうトークショー!」を行ないました。

■11月7日(金)@渋谷シネ・アミューズ
■登壇者:監督 萩生田宏治×原作 さそうあきら×脚本 宮下和雅子

司会:原作者、脚本家のお二方に、出来上がった作品を観ての第一印象を伺いしたいと思います。

さそう:あたりまえですが、映画になると子供たちが、実際に動いていて生きていて、子供たちのパワーが映画の推進力になっているのに圧倒されました。

宮下:作り始める時に、「どんな映画にしたいですか?」と監督に聞かれ「温もりのある映画にして戴きたいです」とお話したのですが、その通りに温かい映画になっていました。

監督:原作にないシーンも宮下さんのオリジナルとして脚本に加えたですが、その点はさそうさんはどう思われましたか?

さそう:本筋から外れていなかったので、特に違和感はなかったですね。

監督:宮下さんのアイディアは、結構そのまま残して作っていきました。春菜が劇中で朋姉ちゃんにもらうスニーカーが、脚本にオレンジ色と細かく指定がありましたが、オレンジ色に何か意味はあったのですか?

宮下:春菜の子供らしくて、可愛くて、でも憎たらしくもある部分をオレンジ色で表現しました。そして、原作には無い上野樹里さんのスナックのシーンは、何かと物議を醸し出していましたが、あのシーンは現実と幻想の境界のような意味を持たせました。

さそう:私はあのシーンは一瞬、春菜が死の世界を覗くというシーンなのだと理解しました。私も、この作品にはどこかでそういう部分がないとダメだと考えていたので納得しました。

監督:原作だと川で溺れる夢をみるんですよね。さそうさんは春菜のイメージはもともとあったのですか?

さそう:とにかく出産に対して前向きなキャラクターでなくてはいけないと思っていたので、映画にはない場面ですが、臨月でも騎馬戦で率先して上にのりたがったりする場面などを入れました。

監督:宮下さんは春菜のキャラクターを脚本に起こすにあたって注意をしたことはありますか?

宮下:原作を何度も読み、自分の小学生時代の日記などを読み返して子供の頃の感覚を思い出しながら、作成しました。