第21回東京国際映画祭:未曾有の超大型台風に立ち向かえ!『超強台風』ティーチンイン&記者会見
■ 日付 10月20日(月)
■ ティーチイン 15:28〜 (TOHOシネマズ六本木ヒルズ Screen 7)
■ 記者会見 17:00〜 (ムービーカフェ)
■ 登壇者 フォン・シャオニン(監督)、ソン・シャオイン(女優)、リウ・シャオウェイ(女優)
人類と自然界との調和、そして困難に立ち向かう人間の優しさを描いた『超強台風』。その監督であるフォン・シャオニンと主演のソン・シャオインさん、リフ・シャオウェイさんをお迎えして、ティーチインと記者会見が行われました。
質問: 中国の映画界での反応、また、これほどの規模の災害をテーマにした映画がこれまで中国にあったか教えてください。
シャオニン監督: 実は中国での公開は今月の24日で、それに先駆けての東京国際映画祭で封切りとなりました。中国では、これほどのスケールの災害映画はこれまでになく、とても楽しみにしてくれています。ここ数年中国は大地震を含む自然災害に見舞われています。日本も台風や地震が多い国ですよね。ですから、そのような災害にどう対処していくべきかを、映画を通して提言したいと思っています。そのような状況下では、経済的なことよりも何よりも人の命が大切で、命を守るために公と民が協力しなければなりません。全地球の皆さんにも、今起きている自然災害が、人間が自然をないがしろにしてきた結果であることを認識してもらいたいと思います。地球に愛を与えてもらうためには、まず私たちが地球を愛さなくてはならないのです。
質問: 出演されたお二人にこのような映画に出られた感想をお願いします。
リウ・シャオウェイさん: 大変でした。この冬中国では大雪による災害があり、ちょうどそのころ撮影が進行しており、監督は「命をかけてこの映画を撮る」とおっしゃっていました。私の場合、相手がいない一人芝居の部分が多く、非常に苦労しました。何度もリテイクしなければならず、実は監督は非常に怖い方で、今にも台風が起こりそうな表情でした。私は看護婦をした経験もありまして、その時のことを思い出しながら演じ、なんとか監督の台風が上陸する前にOKをいただきました。
ソン・シャオインさん: 役者にとっては、どのような映画であろうが、役どころの特徴が異なるということだけです。ただ、医者や教師であれば普段接する機会もありますが、気象専門家という職業は私の実生活から非常に遠い存在を演じることになりました。皆さんが映画を見てどのような感想を持たれたかが気になります。映画の中では、1991年に中国と日本にも上陸した台風「白百合」というのが出てきますが、こうして今日本にいることを含め、縁を感じています。
質問: 地球温暖化がテーマになっているわけですが、実際にそういった問題に対して危機感を感じていらっしゃいますか?
監督: これは地球に生きる人間全員が向き合わなければならない大変な問題です。映画の中では18級という最高レベルの台風が発生していますが、海上で大きな台風が発生するのは温暖化が原因です。経済発展にはある程度の自然破壊が伴い、中国も現在その問題に悩まされています。私は中国で地球環境保護大使を務めていますし、映画を通して注意を喚起したいと考えています。1週間に一度ノーカーデーにしようと呼びかけていますが、北京市民の間でも認識が深まっているようです。私の妻も節水を提唱していて、例えば、お風呂の水も掃除やトイレを流したりするなど再利用しています。
ソンさん: 監督のお話を聞いていて自分が浪費家であると反省しています。今後日々心がけたいと思います。
リウさん: 2001年に初めてシャオニン監督の作品に出演させていただきました。内モンゴルでのロケでしたが、人の背丈ほどあったという草原の草が足の甲がやっと隠れるくらいしか生えておらず、砂漠化が進んでいるのを目の当たりにしました。
監督: 20年前に『大気圏焼失』という映画をつくりました。その頃から地球温暖化と環境汚染の問題を意識していましたし、人間と自然の共存について考え続け、提唱し続けています。