今年で9回目を迎える東京フィルメックスのラインナップ発表記者会見が6日(水)に行われた。2008年11月22日(土)〜11月30日(日)の9日間で開催される今年のフィルメックスでは、<コンペティション>10作品、<特別招待作品>12作品ほか、特集上映として<蔵原惟繕監督特集 〜狂熱の季節〜>と、2008年は日本人がブラジルに移民してから100周年記念ということで、ブラジル映画作家の<ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督(1932-1988)特集〜ブラジル映画の奇跡〜>が上映される。

東京フィルメックスのディレクター林加奈子と、東京フィルメックスのプログラム・ディレクター市山尚三は、「どれもこれも私たちを驚かせた作品ばかりなので、審査員の方々は大変かもしれません」と発言するほど、世界中から才能ある監督たちの作品が多数集まった。
今年の審査委員長は、元黒澤プロ プロダクション・マネージャーである野上照代。当日、姿を見せた野上委員長は「私はずっとこの映画祭のファンでした。でも審査委員長だなんて責任のある仕事をひょいひょいと引き受けてしまって、今とても恐ろしいです(苦笑)。たぶん皆さん、“あんなに年寄りのばあさんが審査委員長なんて大丈夫なのか?”と思われるでしょうけれど、一生懸命楽しく観させていただきます」と、映画祭へ向けての意気込みを語った。

その他、審査員にはソン・イルゴン(韓国/映画監督)、イザベル・レニエ(フランス/ジャーナリスト、映画評論家)、レオン・カーファイ(香港/俳優)、レオン・カーコフ(ブラジル/サンパウロ映画祭代表)など、映画業界で名を馳せている豪華な面々が揃った。

また、当日はコンペティション部門に『PASSION』を出品した濱口竜介監督と、同じく『ノン子36歳(家事手伝い)』を出品した熊切和嘉監督、特別招待部門に『愛のむきだし』を出品した園子音監督が登壇した。

『PASSION』濱口監督コメント
「フィルメックスは学生の頃から通っていたとても信頼できる映画祭なので、そこで上映されることはとてもうれしく思います。本作は東京藝術大学大学院修了作品として作りました。商業的なものではありませんが、多くの人に観てもらえるような作品になったと思います」

『ノン子36歳(家事手伝い)』熊切監督コメント
「フィルメックスは客として何度か足を運んだことがあります。本当の映画ファンが集うところ・・・というイメージだったので出品できてうれしいです。これは久々のオリジナル企画でかなり気合い入れて作りました。主演・坂井真紀さんの今しか見られない表情をうまく映し出せたと思います」

『愛のむきだし』園監督コメント
「フィルメックスは日本の中でもめずらしくすばらしい映画祭だと思います。なのでこの作品が上映されることは本当に光栄ですね。4時間という尺なので、なかなか気が引けてしまう方も多いのではないかと思いますが、重厚なものではなく、いたって軽快な内容なので体感時間は1時間くらい。気軽に観ていただけたらあっという間に終わります。最初の20分を観たら、あとはジェットコースターみたいにいくのでぜひチャレンジしてください(笑)」

★作品ラインナップの詳細は、下記の東京フィルメックス公式HPをご覧ください。
第9回東京フィルメックス

(Report:Naomi Kanno)