劇場で起きた殺人事件の奇怪な真実が、美しい舞台女優が打つ1日限りの舞台の中で暴かれる—。娯楽怪奇文学界が誇るストーリーテーラー、夢野久作の探偵奇譚『二重心臓』が映画化!本作が10月4日(土)に公開初日を迎え、出演者の有末麻祐子、江口のりこ、綾田俊樹、今村祈履、三柴理(THE 金鶴)、そして秋原正俊監督が渋谷シアターTSUTAYAで行われた初日舞台挨拶に登壇した。

物語の鍵を握る女性、美鳥役を演じた有末麻祐子さんは、「映画は2本目だったんですけど、あんなにセリフが多いとは思わなくて‥、共演者の温水洋一さんといつも、(セリフを)削りたいね削りたいねって言ってました(笑)」と撮影時のエピソードを語った。
家政婦のイチ子役を演じた今村祈履さんは「第一発見者という重要な役を頂いたんですが、みなさんと違って私はセリフが少なかったので‥はい(笑)。でもやっぱり単純にコスプレはすごく楽しかったなぁという思い出があります」と語った。

そして秋原監督の作品は2度目の出演となる、刑事・文月役を演じた江口のりこさん。ベテラン俳優の方達との共演で緊張はされましたか?と聞かれると「緊張は、まぁあんまりしないですね‥。緊張というか、ドキドキはしましたけど」と江口さんらしい(?)回答。今回はセリフが多くとても大変だったとの事で、「本当に大変でした。(綾田さんとの掛け合いのシーンで)何回か練習しようと綾田さんから連絡をもらったんですが、何回かっていうか‥まぁ結局1回だけで(笑)」とのエピソードを語り、会場を沸かせた。

同じく刑事・猪村役を演じた綾田俊樹さんも、セリフの多さにはとても苦労したようで「台本をもらった時点で、この長いセリフを誰が喋るのかなぁ‥、あぁ俺が喋るんだ。まさか覚えろという訳じゃないよなぁ‥と思っていたら、覚えろと‥(笑)」と語り、「まぁ、いくらセリフが多くても、舞台とかでは一ヶ月くらい稽古しますからね?でもあのシーンは、1日で撮ったんですよ。本当に大変でしたよ。しかも前に居るのが江口ですからね」と話し、それからも何かと江口さんをネタにして冗談を交えて語ると「もういいですよ!!」と江口さんに厳しく突っ込まれるなどして、劇中同様の二人の掛け合いに、会場は笑いに包まれた。

そして本作では音楽を担当し、俳優としても本作に出演した三柴理さんは「畑野ひろ子さんと松田洋治さんとの撮影での事なんですが、彼らはやっぱりすごく顔が小さいんですよ。僕は顔がデカイですから‥、彼らの後ろに映ってるはずなのに、どうしても前に居るような感じに見えて、自分でもびっくりしちゃいました(笑)」と語り会場を沸かせた。

そして、本作では主演を演じた畑野ひろ子さん。先日、結婚・妊娠を発表し、4日の舞台挨拶には体調を考慮し残念ながら出席は出来なかったが、秋原監督の映画『白椿』に続き、映画2作目の出演にして連続主演を果たした。舞台同様に本作へ力を注ぐ彼女の、女優としての存在感が光る映画『二重心臓』は10月4日(土)より、渋谷シアターTSUTAYAほか全国にて順次公開。

(Report:Nozomi SAWAI)