9月18日(木)アメリカ現地時間、ビバリーヒルズにあるサミュエル・ゴールドウィン・シアターにて『羅生門』デジタル復元版のワールドプレミア上映が行われた。

デジタル復元された『羅生門』は、回顧展“Akira Kurosawa: Film Artist”のオープニングイベントとして華やいだ雰囲気のなか、お披露目を迎えた(回顧展は12月14日まで開催)。日本映画界が世界に誇る傑作が、米アカデミーの協力と、ハリウッドの最新デジタル技術によって甦ったとあってプレスが多数来場。4Fギャラリーでは『乱』で使用された色鮮やかな衣裳や、黒澤監督直筆のメモなど多数が展示されている。

1000席の座席は完売。上映前のパネルディスカッションでは、黒澤監督の長男・黒澤久雄氏と故・三船敏郎氏の長男・三船史郎氏が、それぞれの父親の素顔などを語った。『八月の狂詩曲』に出演した俳優リチャード・ギアからのビデオ・メッセージも流され、場内は期待に包まれる。
日本映画初のハリウッドでのデジタル復元の立役者として、角川文化振興財団の角川歴彦理事長が紹介され、賞賛の拍手が起こった。

デジタル技術により、封切当時同様に、美しく甦った『羅生門』。京マチ子演じる真砂の豹変シーンでは、場内に笑いが起こるなどにビビッドな反応。上映終了時には大きな拍手が起こった。

上映後はロビーに飾られた、『羅生門』各国版のオリジナルポスターや、黒澤直筆の絵画に映画ファンたちは熱心に見入っていた。

なお、日本でのプレミア上映は、東京国際映画祭特別上映として10月25日(土)11:30開演、@渋谷Bunkamura オーチャードホールとなる。前売券の発売は10月4日から。
詳しくは東京国際映画祭公式サイトをご覧ください。