斬新な発想と爽やかな文章でたちまち人気ミステリー作家となった本多孝好。恋愛をテーマに新境地を拓いた短編集「FINE DAYS」は40万部を超えるベストセラーとなり、その中でも特に高い人気を得た一遍『イエスタデイズ』が、ついにファン待望の映画化を果たした。

人はいつか、《愛の決断》を下す瞬間がある—。
不器用に心を通わす父と息子、夢と現実の狭間で揺れる22歳の若者たち—、そんなふたつの人間関係を軸に描いた映画『イエスタデイズ』。本作の完成披露試写舞台挨拶が10月2日(木)にシネマーと新宿で行われ、主演の塚本高史をはじめ、國村隼、原田夏希、和田聰宏、主題歌を歌う榎本くるみ、原作者の本多孝好、そして窪田崇監督らが登壇した。

本作品は製作初期の段階から、主人公・聡史役として塚本さんが念頭に置かれて企画が進んでいたそうなのだが、この事を塚本さん本人は知らなかったようで「え?!そうなんですか?!‥っていう感じで、もういつもの姿勢というか、ひとつの作品に取り組む姿勢となんら変わらずに撮影に挑みました」と語った。
そして今回、塚本さんとは初共演だったという國村さんは「僕も彼も、あまり色んな事を形で決め事しないタイプの役者なので、多分彼もそうだと思うんですが、お互いドキドキしながらやってましたね。やる事は台本に書いてあるので決まっているんですが、それがどう形を変えるか、何がどんな風に科学反応を起こすのか‥、それがすごく刺激的で楽しかったですね」と塚本さんとの共演を振り返った。

そして本作品の原作者・本多孝好さんは「原作者として映画を観るというのは、やはり普通にご覧になる方々よりも厳しいものになると思うんですが、それにも関わらず、皆様に胸を張って、“いい映画です!”と言える作品に仕上がっていると思います」と完成した作品にとても満足した様子。
そして窪田崇監督も「イエスタデイズは昨年の春ぐらいから企画が進んでいた作品で、今日こうやって皆さんにお見せする事が出来てとても幸せです。本作は“決断”をテーマにした作品でもありますので、登場人物達の切なくも輝かしい決断をみて頂いて、少しでも何か感じて頂けたら幸いです」と完成した喜びと本作にかける思いを語った。

そして、映画の中でひとつの重要なポイントとなる“決断”というテーマ。
MCからキャスト陣へ、今までの人生の中での一番の決断は?との質問がとぶと、塚本さんは「毎日の一瞬一瞬が決断の連続ですが‥そうですね、僕はタバコをやめました!」と力強く答え観客を驚かせたが「まだ5日目でしょ?」とすかさず監督に突っ込まれ、会場を沸かせた。

そして「朝起きて、何を食べよう、何を着ようというのも小さいけれどそれもひとつの決断で、その小さな決断が積み重なって、日常が構成されている気がするので、これからもひとつひとつ自分で意志を持って決めていけたらいいなと思います」と語ってくれたのは原田夏希さん。

そして、本作では國村さん演じる昭彦の青年時代を演じた和田聰宏さんは「え〜と‥、1時間くらい前に、この衣装にするっていう決断をした事ですかね‥(笑)」とスパンコールのついた派手な衣装を指さしながら答え、会場を沸かせると、それに対して塚本さんも「僕も見た時びっくりしたんですけど(笑)、いやぁ〜今日は和田君に持っていかれましたね。ずるいですよね〜、悔しいですよ〜」と語り、会場を大いに沸かせた。

最後に主演の塚本さんが「家族だったり友情だったり、ちょっとした恋愛感情だったりと、僕が演じる聡史と、そして作品全体を通して、この作品が皆さんがそれぞれ自分から決断するというひとつのきっかけになればいいと思います。是非楽しんで下さい!」と呼び掛け、舞台挨拶は幕を閉じた。

(Report:Nozomi SAWAI)