20歳の若さで鮮烈な芥川賞デビューを果たした金原ひとみの原作『蛇にピアス』。その原作をなんと、世界を魅了し続ける舞台の第一線で活躍し続ける舞台演出家・蜷川幸雄が監督として指揮し映画化。その超話題作である映画『蛇にピアス』の初日舞台挨拶が9月20日(土)に渋谷GAGAにて、蜷川幸雄監督、吉高由里子、高良健吾・ARATAという豪華キャスト陣が参加し行われた。
(吉高)「この作品は長い死闘でした。まだ終わった実感がわきませんが、やっとこうして作品を受け渡して、終わったんだなと思います。」
と緊張した様子をしばし見せながら、笑顔で挨拶をした。ヒロイン・ルイ役には、映画初主演の吉高由里子である。本作のルイ役には、まさに体当たりな演技が要求されるハードな役であった。

Q:撮影期間中での思い出についてなにかあるでしょうか?
(吉高)「蜷川監督は、この作品をねっこから愛しているのだなと思いました。今まで人と話し合って、役作りをしたことはありませんでした。なので、今回の撮影で、話し合いながらの役作りというのはとても新鮮でした。カーテンを閉め、窓を閉じ、しっとりとやっておりました(笑)。」と、その答えにたいして、蜷川監督はすかさず、
(蜷川監督)「それは嘘!(笑)。私とは、ルイについての役柄について話し合いはしていない。」
と、キャスト陣で役柄について入念な話し合いが行われ協力していたようだ。

Q:監督をなさった蜷川幸雄さんについてはいかがだったでしょうか?
(ARATA)「蜷川監督は、外見から人を見るのではなく、中から見る人だと思いました。とても繊細な現場や演技を作ってくださり、そして終始あたたかい空気を作ってくださり、とても幸せな現場であったと思いました。」
(高良)「僕は今までの撮影現場で1番違和感を覚えた現場でした。それは、今まで僕自身傷つかない小さな円の中で演技をしていたからでしよう。僕にとって色んな財産をもらった現場であり、そしてその円の中から少し出てみようと思うことが出来ました。」

Q:蜷川監督は撮影現場を振り返ってどうおもわれますか?
(蜷川監督)「才能あり、繊細な3人でした。そんな3人だからこそ、僕のことを詮索しているのではないだろうか?どうしょうか?と、1日現場に行きたくないと思うこともありました。密かに信頼されるような演出になればと、思いました。ですが、何もいわなくっても、この3人は協力してきました。吉高は、演技はうまいですよ、繊細で。大体テスト2回目くらいの演技がとてもいいなと。高良は、いじわるな言い方でいったほうがいいかなと。ARATAは、ほっとけばいい演技をするな、など。それぞれ性格をみながらやり非常に面白かったです。」

Q:最後に皆様に一言お願いします。
(吉高)「すごく私の生命力が1番強い作品。この作品では、初めてのことばかりでしたが、2時間3分の最後まで温かく見守ってください。」
(高良)「この作品に出てから、撮影現場へいくのがとても楽しめるようになりました。僕にとって、この作品はとても大きいものになりました。」
(ARATA)「とにかく、この3人がイキイキとしている!もしこの作品を見てくださった方々にとって、少しでも心にのこるものになればと思います。」
(蜷川監督)「いよいよ試験の結果を見に行くという気分です。皆様の結果、楽しみにしています。」

(Report:大倉真理子)