遺体を棺に納める”納棺師”を題材にした映画『おくりびと』が初日舞台挨拶を行なった。

本作はモントリオール国際映画祭でグランプリを獲得し、世界から注目を浴びている。満杯の観客を前に、滝田洋二郎監督は「満員になる初日を迎えることが少ないので感動しています」と感無量だ。

広末涼子さんは「この映画で死を受け入れる姿勢が変わりました。私自身で言えば、大好きなおじいちゃんの死を、悲しみだけでなく、きちんと向き合うことができました。この映画を通じて、生きることに前向きになって頂ければ。」と声を震わせながらも笑顔で語った。

本木雅弘さんは「自分が“おくられびと”になる頃、老いた自分のかつての名作として、テレビの再放送で見られたらいいなと想像しています。」と語り、会場を盛り上げた。

また、余貴美子さんと吉行和子さんは、本作を見て自身が出演しながらも感動したと、作品の完成度に自信をみせた。音楽を手掛けた久石譲さん、脚本を担当した小山薫堂さんも舞台挨拶にかけつけた。

本作は第17回中国・北京で開催中の金鶏百花賞で、観客のアンケートによる作品、監督、主演男優賞の3冠を受賞し、さらに第18回米国アカデミー賞の日本出品作品に決定している。追い風が吹く中の初日となった。

(Report:Hiromi Kato)