小さなコドモたちの大きな奇跡の物語<ファンタジー>『コドモのコドモ』。
9月9日(月)、ママさんのみお集まりいただいた「ママさん限定試写会」が開催された。

会場がママさんのみで埋め尽くされた今回の「ママさん限定試写会」上映終了後、「子育ての奮闘中のみなさんの前で緊張していますが……」と萩生田宏治監督のトークショーが開始。熱心に監督の言葉に耳を傾けるママさん達の中から、いくつも質問が飛び交った。

──最初に監督から一言

本日は、試写会にお越し頂きましてありがとうございます。小学生がコドモを産むというさそうさんの原作に巡り合いまして、驚いたのと同時に共感できる部分があり、また、小学生のお腹の中にコドモがいるという、フィクションがコドモ達の普段の見えない力を描けるのではないかと思い、この作品を作りました。

──原作を読んで一番共鳴した部分は?

原作では3話ぐらいに渡ってコドモ達の手だけで出産するシーンがあるのですが、コドモたちだけで出産することによって出た潜んでいる部分や、その本来のコドモ達の力に共感しました。

──撮影のエピソードは?

400名ぐらいの中から、主演の甘利はるなを選び、他のコドモ達もオーディションで選んだんですが、小学校5年生から中学校1年生までの子がいて、学年によってもまったく性に対する認識が違い、まずは保護者の方々、コドモ達、スタッフを集めて性教育の専門の先生を呼び、レクチャーをして撮影に挑みました。
それでもわからないことなどは、随時保護者の方に報告をしたり、相談をして進めていきましたね。

──麻生久美子さんが演じる八木先生は、一生懸命のあまりからまわりしてしまう先生をリアルに表現していましたが、その演出はどのようにされましたか?

映画の中では、ほぼ学校の中だけの八木先生を演じてもらったのですが、やはりコドモ相手だと自分が思い通りにできない部分も多く、毎日難しいと言っていました。しかし、その難しい部分をそのまま演じてくれたことにより、そのままコドモ達と不安ながらも向き合っていく先生役に、うまくはまってくれたように思います。

──コドモ達は時間が経つにつれ演じることに対して変わったことはありますか?

夏と冬と2季に分けて撮影をしたのですが、夏は予測がつかないことも多く日々ドキドキしていたようです。
ただ、わからないことがあってもとりあえずやってみる、やると決めた時は一生懸命やるなど、とにかく逃げないんですよね。冬の撮影の時は、自分の弱いところも自覚した上で、きてくれた。もう、僕が何も言わなくても、頑張れるんだなと思いました。

──小学校5年生への性教育のレクチャーはどんなものですか?

まだ5年生ぐらいだと産むという意識ではないので、自分が誕生して、お母さんのお腹の中で育っていって、どう産まれてきたのか、まずその説明から入りました。その後に、女性と男性との性教育の核を教えてくれましたので、コドモ達は、最初に命の大切さがわかったようです。僕自身もそのレクチャーにとても、感動してしまったんですけどね(笑)。

──5歳のコドモとこの映画を見たいと思っています。

ファンタジーということですが、コドモがコドモを産むということは、もっと心の問題があるはずだと思いますが、それをあえて明るく進めた理由はもちろんコドモの身体にコドモが宿ってしまったんですから、悩みなどもっとあるはずではと思ったのですが、今回は自分自信で感動した部分を忠実に再現しました。「コドモができてしまった」というような感情的なことよりも、自然な本能的な部分で、コドモを産むことを決めたのではないかと考えています。

また、「こんなに感動するとは思わなかったので、ぜひいろいろな方に伝えたいです」と、思わず涙ぐみ声を詰まらせながら感想を言われるママさんもいらっしゃいました。

◆試写会終了後のアンケートより
観る前は「どうなんだろう…?」という否定的な気持ちも持ちつつ観ましたが、子供の姿勢や生き方、存在が真摯で感動の涙がでました。
34歳・主婦

命というものが軽んじられている時代、命の大切さを感じられる作品でした。子供たちがキラキラしていて良かったです。子供と一緒に観てほしい!!
39歳・主婦