今年で4回を数えるアジア海洋映画祭イン幕張が9月5日から開催、7日閉幕し、各受賞作品が発表された。
海をテーマに、長編コンペ、短編ビデオコンペ計17作品が上映され、今年のグランプリは、台湾映画、ウェイ・ダーション監督の作品『海角七号』(原題:Cape No.7)がグランプリ、タイ映画、ソンヨット・スックマークアナン監督の『夏休み ハートはドキドキ!』(原題:Hormones)が審査員特別賞を受賞した。

『海角七号』は、ミュージシャンになる夢に破れて故郷の海辺の町へ戻った青年(ファン・イーチェン)と、日本のスターのコンサートを開催するためにやって来た日本人女性(田中千絵)の愛が、60年前の日本人男性と台湾人女性の愛と交錯するドラマ。主演は、台湾の人気ミュージシャンVanこと范逸臣(ファン・イーチェン)と、台湾に渡った日本人女優の田中千絵。監督はエドワード・ヤンの弟子で、デビュー作である本作ですでに今年の台北映画祭グランプリに輝いている。田中千絵さんは、05年の香港映画『頭文字D』出演をきっかけに台湾に語学留学し、台湾で活躍している女優。本作が2本目の主演映画で来年2月に台湾で公開され、ヒットしている。
田中千絵さんのお父さんはメーキャップアーティストのトニータナカ氏の長女、父も会場に現れ、舞台で、応援メッセージを贈った。

審査員特別賞に輝いた『夏休み ハートはドキドキ!』は、甘ずっぱい学生の青春群像劇、憧れの日本のAVアイドルにそっくりなバックパッカーに出会う大学生の4組の恋愛を描くタイの今年No.1ヒット映画。ソンヨット・スックマークアナン監督はデビュー作『フェーンチャン 〜ぼくの恋人』が日本でも公開されている新鋭監督。今回、憧れの日本のAVアイドルには、蒼井そらが本人のそっくりさん役で出演していることも話題になっている1本。

短編ビデオコンペ部門では、幕張メッセ賞は『ヌシ』、チバテレビ賞は『極海のいのちたち』、奨励賞は『水妖 −SUIYOU−』、グランプリには『リクザカナ』が受賞した。

(Report:Yasuhiro Togawa)