女性から絶大な人気を得る漫画家、大島弓子の自伝的エッセイ漫画を映画化した、にゃんともハッピーな感動作『グーグーだって猫である』が、9月6日(土)に公開初日を迎え、同日、主演の小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、林直次郎(平川地一丁目)、犬堂一心監督が渋谷シネマライズにて行われた初日舞台挨拶に登壇した。

本作品ではおよそ3年ぶりの主演映画となる小泉今日子。
撮影現場は非常に和やかな雰囲気だったようで「本当に楽しい現場でしたね。監督の元でみんな伸び伸びと演技をしてて、役の気持ちと自分の気持ちが常に寄り添っているという感じでした。カメラが回っていても回っていなくても、その雰囲気が変わらないというか、それがそのままいい形で映像に表れていると思います」と語った。

そしてこの日観客に向けて「おはようございまーす!!ありがとうございまーす!!」と元気いっぱいに呼び掛けたのは、小泉演じる漫画家・麻子のアシスタント、ナオミ役を演じた上野樹里。「小泉さんは実際に猫を飼ってらっしゃるので、グーグーとの距離感とか空気感とかがすごく心地良くて、小泉さんじゃないとあの感じは出せない!って思いました」と尊敬の眼差しを向け、さらに「小泉さんと一緒に居ると、本当に落ち着くし安心するんです。だから映画の中でも主人公の麻子先生にとってすごく辛いシーンがあるんですけど、もう本当に悲しくなっちゃって‥、大泣きしちゃいました(笑)」と撮影時のエピソードを語った。そして今回、同じアシスタント仲間として共演した森三中とはすっかり意気投合したようで、小泉には“森四中”と呼ばれていたほど常に行動を共にしていたという上野。「撮影現場が本当に楽しかったんですけど、もうクランクアップ間近の時に村上さんに、“もう一生会う事もないね!”って言われたんですよ‥!!それがもう本当に悲しくて、何で私だけ脱退しなきゃいけないんだ!って、また泣いちゃったんです(笑)」と仲の良さが伺えるエピソードを披露した。

そして本作で小泉扮する麻子との恋を予感させる、ちょっと不思議な青年を演じた加瀬亮。今回の役を演じるにあたり気を付けた点はとの質問に「やっぱり相手が小泉さんだという事で、僕がいつもやっている様な暗くてモジモジした男じゃ好きになってもらえそうにないと思ったので(笑)、今回は自分なりに男らしく、いさぎよくやろうと思って演じました」と語り、会場を沸かせた。

さらに本作品で2度目の映画出演となる平川地一丁目の林直次郎は「本当に皆さん大物揃いで‥、最初からいきなりラスボスと対決している様な気分でした(笑)。でもすごく経験値が上がったと思います」と振り返った。

そして、今回の映画の話が進み始めたのは、実は4年ほど前の事だと話すのは犬堂監督。「本当に、やっとこの日を迎えられたなという感じで、非常に嬉しく思います。吉祥寺という街もすごくのどかで癒されましたし、小泉さんをはじめ出演者の皆さん、本当に一緒にいるだけで楽しくなれる俳優さんばかりで、毎日現場に行くのが楽しみでした。そしてこれから、この劇場以外もこんな風に満員で埋まってくれればいいな〜と、素直に思いますね。そしてもしよろしければ、原作の『グーグーだって猫である』もすごくおもしろいので、是非読んでみて下さい」とメッセージを贈った。

最後に映画をご覧になる方々にメッセージを

【小泉今日子】
「人間というのは常に悩みや問題を抱えながら生きているものだと思うんですけど、楽しい気持ちというのはたとえ一瞬であっても、絶対に人に伝わると思うんです。この映画はそんな楽しい気持ちをおすそ分けできるような映画と思いますので、是非ニコニコしながら劇場を後にして頂ければと思います」

そして最後のフォトセッションでは本作のもうひとり(1匹?)の主役、猫のグーグーが登場。今回は最初で最後の親子共演という事で、なんとチビグーグーも参加での記念撮影。共に犬堂監督、小泉今日子の腕に抱かれフォトセッションに応じた。愛らしいグーグー親子に会場の視線は釘付け。客席のあちらこちらから「かわいい〜!!」との声が上がり、終始和やかな雰囲気で行われた舞台挨拶は幕を閉じた。

(Report:Nozomi SAWAI)