—全世界、失明。それは、ある日突然始まった。—原作は、ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」。伝染病の蔓延により全世界が盲目化し、パニックに陥るという、大胆かつシリアスな物語。「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督が手がけた、第61回カンヌ国際映画祭でオープニング作品を飾った、映画『ブラインドネス』。最高のキャスト・スタッフが、国境を越え集結した作品である映画『ブラインドネス』の完成披露舞台挨拶が8月14日(木)に丸の内ピカデリー2にて、フェルナンド・メイレレス監督、伊勢谷友介、木村佳乃という豪華キャストが参加し行われた。

映画『ブラインドネス』について
(伊勢谷)「尊敬以上に、憧れている、フェルナンド監督と一緒に仕事を作ることが出来、非常に幸せ。思い入れの沢山ある作品。」
(木村)「オリンピックで盛り上がる中で、こんなに大勢の方が来て下さり、とてもありがたい。この作品を通して、初めて【盲目】という役を演じた。本作は、心に残る深い作品。」

映画『ブラインドネス』に出演をした伊勢谷と木村について、
(フェルナンド監督)「この二人の役は当初日本に限らず、広くアジアの俳優からキャスティングするつもりであった。日本にいるプロデューサーたちの協力の下で、多くの出演作を確認し、リストアップをして、この素晴しい二人に会うことが出来た。キャストを決める前に、このカップルは、エレガントで洗練されているというイメージを描いていた。この二人をみればわかるとおり、そのイメージにぴったり。さらに、英語も話すことが出来る。実際に会った時に、なにか通じるものがあり、非常に素晴しい二人だった。」
と、伊勢谷と木村を大絶賛した。

さらに映画『ブラインドネス』では、伊勢谷は作品中では役者としてだけでなく、日本語の台詞を書くことにも関わっている。そのことに関して、フェルナンド監督は、「まるで、【黒澤監督】のようであった。」と、伊勢谷を賞賛し、「日本語というものは、素晴しい響きをもっている言語。」と、日本への思いを述べた。

(伊勢谷)「フェルナンド監督は、常に同じ雰囲気のままであり、難しいことも優しく伝えてくれる。台詞を描かせてもらい、作品に関わることが出来、とても幸せ。そして、共演したガエル・ガルシア・ベルナルの才能をヒシヒシと感じ、【あなたに首ったけです】と伝えた(笑)。俳優としてだけでなく、人間としても、大きな経験をした」
(木村)「共演したジュリアン・ムーアに非常に感銘を受けた。彼女は、女性としても女優として、強く優しく、とても憧れる。彼女との出会いは、自分の財産の一つ。又、再会できるのを楽しみにしている。」

フェルナンド監督が今回手がけた、見える人間が盲目へと化してゆく、《視角の失われた世界》。
監督にとって、今回題材として描く【目が見えない】とは、メタファーとしてのものだという。目が見えていても、実際に本当のことは見えていないのではないだろうか?
白い闇に包まれた世界で、何が起こるのか。この秋、観客だけが覗きみることができるこの「白い闇」の世界、あなたは目をそらさずにいられるだろうか?

(Report:大倉真理子)