300万部突破(2008年6月末時点)の若杉公徳 原作「デトロイト・メタル・シティ」が、ついにファン待望の映画化を果たし、31日(木)に「デス・メイク・カーニバル08」と題したイベントがSHIBUYA-AXにて盛大に開催された。

1万通の応募の中から抽選で選らばれた650名ものDMC信者たちが、その登場をいまかいまかと心待ちにしているのは、『デスノート』シリーズで圧倒的な存在感と演技力を見せつけ人気が爆発した松山ケンイチ。カメレオン俳優の異名をとる松山は、本作でも原作ファンも納得の変身ぶりを披露している。それは原作者である若杉氏が「本物が出てきたと思った」と驚嘆の声を上げるほど。

イベントでは、デス・メイクを施した信者たちの「クラウザー様〜!!」という悲鳴ともとれる歓声に圧倒された松山が、「僕らは正装で来てしまいました。“間違えた!”と思ったけど温かく迎えてくれたのでよかったです」。そして、エキストラで撮影にも参加したという信者が多数来ていることがわかると、「ライブシーンではエキストラの方々がすごく盛り上げてくれたので、エネルギーをもらって十分なパフォーマンスをすることができました」と感謝のコメントを述べた。

本作に参加しての感想を出演者たちは、「こんなに愛される作品に出演できて、改めて幸せだったなと思います」(加藤ローサ)、「<カミュ>というド変態をやらせていただきましたけど(苦笑)、セリフが“ブルマ”関連しかなくて……。とてもすばらしい仕事をさせてもらいました。こんなに信者の方が集まってくれたらすてきな下着も出てくるんだろうなー(笑)」(秋山竜次)と続き、その後「ジャギ様〜!!」という信者の叫び声に触発され腰を振るパフォーマンスを披露した細田よしひこが「(ライブシーンでは)生まれて初めてセクシーだと言われました。衣装がヒョウ柄だったためか、本気で女性に間違われたりもしました。衣装は伸縮性抜群です!(笑)」と会場を沸かせた。

「社長—!!」の呼び声に応えるのは、劇中では「F○○K!!」を連発するキレ社長を演じた松雪泰子。「社長的セリフで発言したいのですが、メインのセリフが4文字のあれですから……(苦笑)。オファーをもらったときも正直迷ったんですよ。強烈なインパクトのある役ですからね。でも今年一番の思い出です。DMCサイコー!!」と、普段は見せないようなテンション高いノリで答えた。

人をイラっとさせるゴボウ男<根岸崇一>と、地獄の帝王<ヨハネ・クラウザーⅡ世>二役を演じた松山は撮影を振り返り、「すごい2ヶ月間でした。特にライブシーンでのエキストラたちのエネルギーはすごくて、それを受け止められるかというプレッシャーに耐え切れず、禁煙していたタバコを吸ってしまいました」と明かすと、周囲から「あーあ!」という嘆きの声が響き渡ったが、記者から“好きな音楽、メタル、女……どれか一つ選ぶとしたら?”との質問に、はっきりとした口調で「好きな女性です! その人がいるからこそ安心して生活できると思うし、友達でもそうだけどいなくなってイヤなのは好きな人たちです」と発言すると、「おー!」や「カッコいいー!」と、褒め称えるような声があちこちからこだました。

そんなキャストたちを見守っていた李闘士男監督も、「一種の熱病にうなされているような撮影でした」と振り返り、「プロデューサーに“SATSUGAI(殺害)”されないようにがんばりました」とDMCのデビュー曲に引っ掛けたコメントでますます信者たちを盛り上げると、松山も負けじと信者たちに背を向け「貴様ら・・・地獄で待っているからな!」とクラウザーⅡ世が降臨。それにはキャストも信者もびっくり。その後、会場が割れんばかりの歓声に包まれたことは言うまでもない。

(Report:Naomi Kanno)