ジャン・ベッケル監督(『クリクリのいた夏』『ピエロの赤い鼻』)の最高傑作との呼び声も高い珠玉の名篇、『画家と庭師とカンパーニュ』の特別上映会が30日(水)フォーシーズンズホテル椿山荘 東京/バー「ル・マーキー」にてガーデンデザイナーの吉谷桂子さんをゲストに迎え行われた。
吉谷桂子さんは7年間の英国滞在経験を生かしたガーデンライフを提案している今注目のガーデンデザイナーで、英国を中心にヨーロッパ200カ所以上の庭を訪ね、本場の英国流ガーデンを研究し続けている。東京六本木にある東京ミッドタウンのレストラン「ボタニカ」ではガーデンテラスの演出を手掛けている。最近ではテレビ東京の「ソロモン流」で賢人として取り上げられた。
そんな吉谷桂子さんだが画家としての側面も持っており、本作の『画家と庭師とカンパーニュ』に強いシンパシーを感じトークイベントへの出演を引き受けてくださった。
今回の試写会は有料にも関わらず、募集の開始と同時に定員が一杯となる盛況振りで、吉谷さんの人気の高さを物語っていた。
トークショーの中で吉谷さんは、映画の後半に出てくる「庭師が添い寝してやると、野菜たちが喜ぶ」という台詞と、イギリスで庭を何百カ所と見て回っているうちに突然具合が悪くなり、もう歩けないなと思い、芝生の上に倒れ込んだら今までの悪かったものが芝生に吸い込まれていくような不思議な感じがし、気付いたら、気分が良くなっていた、といった自らの体験談や、イギリスで暮らしていた頃からフランスのカンパーニュに憧れを持っていて、パリとフランスのカンパーニュでは16世紀と20世紀ぐらいの違いさえ感じるというフランスの田舎の魅力、そして庭師の視点から、草花を育てるということは、その人の人生を豊かにしてくれることだという事を確信出来る映画です、と映画の魅力を語ってくれた。