7月20日(日)、短編国内コンペティションにノミネートした12本のうち3作品が上映された後、『6月4日』の監督・ニシダカオルと撮影・阿部一孝、『アタシヲ産んだアイツ』の監督・佐藤福太郎、出演者の濱崎由加里(娘役)、荻野みどり(母役)、荻山博史(カメラマン役)、そして『どん底の二歩くらい手前』の監督・藤村享平が登壇した。

Q:「各作品を制作した意図と思い出について、一言お願いします。」
ニシダカオル監督:「映画を作ったのは今回が初めてなのですが、日本映画は中年女性を撮ったものが少ないと思っていて、私自身俳優をしているので、本を書いて自分で出てみようと作りました。スタッフは友達経由で集まってもらいました。」
阿部一孝:「初めてこういった俳優をやっている監督で撮影でき光栄ですし、楽しめました。」
佐藤福太郎監督:「福太郎という名前は、祖父の“きゅうたろう”と“ふくじゅうろう”という名前を足して作りました。(作品の)お母さんのモデルはうちの母です。本作品は微妙な関係にいる家族の気持ちを映像にしたいと思い、作りました。」
濱崎由加里:「私は普段舞台一筋で映像は初めてなので、出演できて良かったです。」
荻野みどり:「撮影は寒い季節でつらいこともありました。」
荻山博史:「(役柄とは違って)本当は良い人なので、そうゆう目で見ないで下さい(笑)。この作品の普通の家庭にもあるところを身近に感じてもらえれば良いと思います。」
藤村享平監督:「この映画は学校の卒業制作で作ったものを、もう一度編集し直したものを応募しました。実際の撮影は2年前なので、懐かしいですね。今日この映画を観て、良い映画だなと思いました(笑)」

Q:「『どん底の二歩くらい手前』に登場する売れない小説家がかなり良いマンションに暮らしていましたが、“実は親が金持ち”といった背景をわざと隠したことには意図があったのでは?」
藤村享平監督:「実はあまり言いたくないのですが、あれは友達の家を借りて撮りました。本当は、もうちょっと普通のアパートが良かったのですが、あそこしかなかったので(笑)。“お金持ちの息子で家を飛び出して小説を書いている”という設定は元々あったのですが、家は失敗ですね(笑)」

Q:「何歳くらいの時の作品なのでしょうか?また、自然な演技をしていた主人公の女の子を選んだ経緯は?」
藤村享平監督:「この作品は22歳の時だったと思います。主人公の女の子は、女優さんになるための学校に行っていて、初めてドラマを撮る方でした。オーディションをして、あの子が1番良いと思ったので使ってみて、すごく良い演技をしてくれました。」

Q:「『アタシヲ産んだアイツ』の母と娘が争うシーンは何テイクくらい撮ったのでしょうか?」
佐藤福太郎監督:「撮影場所に借りていたスタジオの撮影費が高かったので、できるだけ1テイクで撮るようにしていましたが、色々な方向から撮るためにはカメラ数が少なく、もっともっとリアルにしようと何回もかかり、10回以上撮ったと思います。」

Q:「各作品には監督の実話に基づく部分があるのでしょうか?」
ニシダカオル監督:「フィクションです。」
佐藤福太郎監督:「原作はフィクションです。観ていただいた方には温かい気持ちになっていただきたいと思います。」
藤村享平監督:「フィクションですが、演技での会話を普通の俳優さんはオーバーに表現するので、なるべく普通の会話ということを意識してもらい、リアリティを出そうと頑張りました。」

(Report:Masako Imai)