7月19日、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008が、埼玉県川口市のSKIPシティにてオープニングを迎えた。
SKIPシティは埼玉県の新産業プロジェクトとして、次世代映像関連産業の集積する国際的な拠点となるべく、2003年にオープンした施設。
同映画祭は、世界初のデジタルシネマによる国際コンペティション映画祭として、2004年に始まり、今年で5周年を迎えた。
会期中には、国際コンペティションとなっている長編部門、国内コンペティションの短編部門の一次審査を通ったノミネート作品24本、および招待作品の3本等計34本が上映される。
今年は国内外75の国や地域から長編・短編合わせて計993本もの応募があり、過去最多となる。

開幕において、主催者である埼玉県上田知事から、「もう5回目になりました。この5回目がこれまでと同じように、というよりはそれ以上に大きく飛躍して欲しい。そのために皆様にはノミネート24作品の長編・短編を存分に堪能して頂きたい。 Dシネマの’D’とはDigitalの頭文字でありますが、同時にDream(ドリーム)という意味も込めたいと思っておりまして、できるだけ多くの方々に本映画祭を通して、才能を引き出して頂きたい。また、ここまで大きく育ったDシネマがさらに大きく育つよう、ご支援・ご協力を是非お願いしたい。」と初めに挨拶があり、続いて川口市の岡村市長より、「今年の出品応募数は過去5年で最高の993本となり、これだけの参加があることは凄いことであります。これも知事をはじめ関係者の支援、市民の会、地元がなんとか成功させようと尽力してくださっている。本当に有難いことです。」と今年5周年の節目を迎え、感激した様子だった。

ノミネート作品の監督及び出演者も続々来日し、オープニングでは15名が登壇。
また、審査員も長編部門から2名、短編部門からは審査委員長の高嶋政伸氏と「映画祭を応援する市民の会」より選出された5名を含めた計8名がステージに登壇し、開幕にあたり総勢27名からなるフォトセッションが行われた。

オープニングでは、シネマ歌舞伎『人情噺文七元結』が英語字幕付きで世界初上映され、上映前には、山田洋次監督のビデオメッセージが流れ、本作品を監督するにあたった経緯やエピソードが語られた。
本作品以外にも会期中招待作品として、音楽座ミュージカル『メトロに乗って』、『FROGS〜フロッグス』のODS作品が2本上映される。
ODSとは、‘Other Digital Stuff’の略称であり、概して「映画館で観ることができる、映画以外のデジタルコンテンツ」という意味である。デジタル撮影されたコンテンツをデジタルプロジェクターで上映することで、映画のみならず、演劇、スポーツ、ミュージカル、オペラ等を映画館で楽しめるようになるのだ。
本映画祭のコンペの応募条件は、デジタルシネマであること。すなわち、デジタルで撮影・編集され、デジタルフォーマットで上映可能な作品に限られる。
本映画祭が一役を担うことで、今後ODS作品がエンターテインメントの新しいあり方として普及していくことを期待したい。

(Report:Inoue Midori)