16日、映画『ジャージの二人』の公開に先駆けて行われたプレミア試写会を記念して、舞台挨拶が行われ、主演の堺雅人を始め、共演の鮎川誠、水野美紀、田中あさみ、ダンカン、大楠道代、監督の中村義洋が登壇した。
本作は、よその男と恋愛中の妻を持つ主人公とその父親が、祖母の遺した古着ジャージで北軽井沢の夏を過ごす、クスクス笑えて、ちょっと切なく、最後には爽やかな気持ちになれる、避暑地のような作品。客席にはジャージ姿の観客も多数来場し、大盛況のプレミア試写会となった。

■堺雅人
久しぶりに共演者とお会いして、去年の夏の思い出が甦りました。(自身のジャージ姿について)やっぱり着るんだ〜、と(笑)。下のヒモの部分が、難問なんですよね。鮎川さんとの演技は現場でセッションしているような感じでした。1テイク、1テイク、ニュアンスを変えて楽しんでいる生き生きとした鮎川さんを見て、豊かな時間を感じました。
この映画で大事なことは、言葉にできなかったもの、その人の言葉・体温でしか伝わらないと思います。気にいって頂ければ、勧めて頂ければ幸いです。

■鮎川誠
ライブは前もって考えていてもステージに立つと飛んで行ってしまう。演技の時もその気持ちは同じでしたが、ダンカンさんに「セリフ覚えが悪いね」と言われて、予習していきました。みんなでファミリーみたいに心をひとつにして出来た、楽しい日々でした。堺くんはセリフの練習をしていると、スッと横に来てつきあってくれました。最高の息子とエンジョイしました!
いっぱい、いっぱい取材をして頂いて皆さん「すごい」と思われているでしょうが、普通の、何もない映画です。涼んでいってください。ジャージは最高だ!

■水野美紀
よその男と恋愛中の妻を演じましたが、共感は……できなかったです。せっかく素敵な旦那様と夫婦だったのに残念です。この二人のシーンだけはヒリヒリした感じだったので難しかったです。

■田中あさみ
今日の衣裳は役の「花ちゃん」カラーにしました。普段は緊張しないのですが、さすがに緊張しています。初の映画撮影は業界用語が飛び交っていて、どこにいて良いのかも分かりませんでしたが、皆さん優しくしてくれました。楽しんで頂けたら嬉しいです。

■ダンカン
静かな風が吹く木の下で寝ているような映画です。3人で食卓を囲むシーンがあるのですが、鮎川さんがセリフを忘れていて、そのまま無声映画みたいに時間が流れていったり(笑)。中村監督はよく耐えたと思います。二人の人柄がジャージを着たみたいなもので、この二人だからこその映画です。

■大楠道代
最初は喜劇と思われるかもしれませんが、最後は違う意味で裏切られます。
中村監督は新人監督と思って現場に行ったら、見方も撮り方も太いし、粘るし、とても新人とは思えませんでした。鮎川さんは「セリフを忘れているのかな」と思っているとポツンと話して、それがいい間になっていて、長年女優をやっていますが、ちょっと悔しかったです(笑)。

■中村義洋監督
(こういう場面では)フォトセッションの際、監督は切られてしまうのでジャージを着てきました。「何も起こらない」と言いつつ、そんなに何も起こらない訳ではないですし、ミステリー(の監督)だけじゃないぞ!と(笑)。好き嫌いのある映画だと思います。気にいって頂けたら、気に入ってくれそうな友達に勧めてください。今日はお暑い中、来てくださってありがとうございました。暑い日に観てもらうために作った映画です。涼んでいってください。