もどかしくも溢れるほどの優しさで、かけがえのない心のつながりを結んでいこうとする少年少女たちをみずみずしく描いた感動作『きみの友だち』の舞台挨拶付きプレミア試写会が9日(水)に行われた。
直木賞作家・重松清のこの傑作長編を映画化したのは日本映画界の名手・廣木隆一。いよいよ7月26日(土)に公開となる本作について、「友だちが別にいなくたっていいよね、と思えるような作品(笑)。すてきなキャストと主題歌によってできた本作が、観た方々の本当の友だちのようになってくれればいいなと思います」とアピール。

本作が初出演にして初主演の記念すべき作品となった石橋杏奈は、「出来上がった作品を観たとき、大きなスクリーンに自分が映し出されるのを見て不思議な気持ちになりました。初めての映画だったので、自分の中でとてもいい思い出になりましたね」。相手役には『誰も知らない』の長女役で存在感を見せつけた北浦愛が演じた。「今まで“友だちって何だろう”と思っていた人にも、“友だちってこういう存在だったんだ”とわかってもらえる作品になったと思います」。主演作『蛇にピアス』が待機中の吉高由里子も「優しくて、淡くて、切ない、キュンとなる映画。友だちの大切さを改めて気づかせてくれる作品です」とコメントした。

また、映画のタイトル『きみの友だち』にちなんで、「友だち」にまつわるこんなエピソードも飛び出した。
「私が上京した中学2年のとき、私よりも先に友だちが空港に見送りに来ていた姿を見たときは感激しました。改めて友だちの大切さに気づかされて、それからはメールもすぐ返信するよう心がけています(笑)」(石橋)
「昔、海外に行ってしまった友だちがいたんですが、何年か振りに再会したとき全く同じように話せたんです。だから本当の友だちは何年経っても変わらないんだなと思いました」(北浦)
「誕生日のとき、友だちがサプライズパーティーを開いてくれたのがうれしかったですね。あと、本当の友だちは一緒にいる時間じゃないと思う。一緒にいる時間が長くても短くても、ギュッと密度の濃い人が本当の友だちだと思います」(吉高)

キャストたちが友だちの大切さをしみじみと語り合う中、主題歌「つないで手」を提供した一青窈は、「私、この映画を観て号泣してしまったんですが、友だちって雲のようにいつもそこにあるものだと思います。自分もそういう存在でありたい。ただ、そばにいてあげるのが大切なんじゃないかな? 私も失恋したときにそばにいてくれた友だちがいましたが、カレー屋のそばで泣いていたら“お嬢さん、そんなに泣いたらいけないよ”とナンを渡されたんです。ナンで?って感じでしたけど(笑)」とユニークな発言で、最後に会場を爆笑の渦に包み込んだ。

(Report:Naomi Kanno)