“不死の民”を巡り、戦い続ける宿命の人々を、壮大なスケールで描く映画『HIGHLANDERハイランダー〜ディレクターズカット版〜』。
これは、1986年にクリストファー・ランバート主演の『ハイランダー 悪魔の戦士』が公開20周年を記念して作られた長編アニメーション。日本で劇場公開されるものは、アメリカ版とは異なる川尻善昭監督のディレクターズカット版で、日本語吹き替えも豪華声優陣により新たに制作されている。

6日(土)は、初日舞台挨拶が行われ、2000年近く生き続けて宿敵マルカスを追う主人公、コリン・マクラウドを演じた小栗旬、コリンを支える美しく凛々しいヒロイン、ダリアを演じた朴璐美、コリンの宿敵、マルカス・オクタビウスを演じた山寺宏一、そして川尻善昭監督が登壇した。

山寺が「『花より男子ファイナル』の他、沢山の映画の中、わざわざこの映画をご覧頂きましてまことにありがとうございます。」と挨拶し場内は笑いにつつまれた。
川尻監督は、「アニメーションは分量との戦いで、結構時間がかかる。2005年にNYの取材から始め、やっと皆さんにご覧頂けるようになりました。」と述べると、感極まって言葉を詰まらせてしまった。
キャスティングについても、監督曰く“自分がイメージした通りにできて、アフレコ現場では自分がお客さんになっていました”とのこと。

小栗は、コリンを演じてみて「楽しかった。2000年も生き続けている役なので、最初は生身の人間で生き生きとしているのが、最後のNYのシーンは絶望と虚無感をもって立っているという時間の流れが難しかった。初めに、NYのシーンから録り始めたのでどんどん若返っていくという感じでできたのでやりやすかったです。」と語る。
もし、コリンのように不老不死の力を与えられたら「マルカスのように生きたい。」と即答。「1つの事だけでなく色んな勉強をしたいと思います。」とコメントし、驚きの意欲を見せた。
朴は、収録中の出来事をこう語った。「旬君がマジメにやっていると思ったら、“俺、かっこいいべ?”と聞いてきて、相変わらず変わってないなぁと思いました(笑)。」
かっこよくてきれいな女性を演じる秘訣について朴は、「心の赴くままに生きる事なんじゃないでしょうか。」と答え、周囲を唸らせた。
山寺は「これまでにも色々なアニメの仕事で、イヌやカバやカマメシ、キツネなどを演じていますが、2000年以上も生きる役はこれが始めてです。」と述べ、「旬君と朴ちゃんは、そのまま実写にも出れるけど、僕なんかこれだからね。」と言って笑わせた。
川尻監督は、山寺が今回、骨格から声を変えていたと称して絶賛する。本人に自覚はないようだが、監督は「エラがはっている人の声だった。」と言う。
それを受け、山寺はケータイのバイブ音のマネを披露し、会場から拍手喝采。

声優の技や心意気が垣間見える舞台挨拶となった。
(池田祐里枝)