最悪の目撃者。全てを失った孤独な男。捨てたはずの過去。今、復習を誓う──。

『デスノート』シリーズ以来の主演作となる藤原竜也が【カメレオン】の如くいくつもの表情をもち、自らを塗り替えて生きる裏社会の男を演じた壮絶なクライム・アクション『カメレオン』が5日に初日を迎え、阪本順治監督と主演の藤原竜也、水川あさみが丸の内TOEI②で舞台挨拶を行った。

初回の上映を観終わった観客を前に、藤原は「期待と不安と緊張が入り混じっていますが、皆さんと一緒にこの作品を盛り上げていけたらと思っています」とアピールし、水川も「一人ずつ感想を聞きたいくらい。この日を迎えられてうれしいです」と笑顔であいさつをした。そして監督は「藤原くんや水川さんをはじめ、登場人物たちの魅力は十分に伝わりましたか?」と観客たちに呼びかけると、客席からは大きな拍手が。その様子を見て「僕の作品でこんなに女性が占めることは滅多になく、いつもは大体友だちがいなさそうな方々がくるので今日はなんか新鮮です!」と、発言すると場内からはどっと笑いが起こった。

激しいアクションシーンもスタントマンなしで演じることもあった藤原は、「アクションを自分の肉体を使って表現できたことは本当に恵まれていたと思います。そういう場を与えてくれた監督に感謝です」と話し、共演者の水川に関しては「あれできない、これできない、あれはイヤっていう女優さん……ではなく(笑)、自分を解放してさらけ出してくれたので、皆で自分のキャラクターやこの作品を作っていけました」と語った。
水川も藤原に対して「本当にストイックで圧倒的な集中力を持つ人。舞台の経験も豊富なので引き出しも多く、それを間近で見ることができて刺激的でした」と藤原を絶賛した。

「30年前の丸山昇一さんの書かれた脚本はシンプルで薄い脚本だったんですが、だからこそ現場で自分の手腕が問われると思いました。娯楽映画として皆さんにどう提供できるかと自問しましたね」と話す監督は、本作の続編の可能性を聞かれると「『相棒』くらいヒットすればね。同じキャストで監督が変わるんじゃない? ちょっと自虐的になってしまったけど……(苦笑)」とコメントし、またもや会場を沸かせた。

最後に藤原が「本当に僕たちは皆さんの存在がないと成立しない仕事をしています。また、皆さんに感動的で魅力的な映画をお届けできたらと思います。今日は本当にありがとう!」と熱く呼びかけ、上映&舞台挨拶は大盛況で幕を閉じた。

(Report:Naomi Kanno)