7月5日(土)・6日(日)に東京国際フォーラム(ホールD-1)で開催される、ダイゲイフィルムアワード(大阪芸術大学映像学科卒業制作展)。
その前夜祭ということで4日(土)、前作『おそいひと』がTOKYO FILMeX 2004を皮切りに、2005年、2006年と各国映画祭で話題になったゲイダイOBの鬼才・柴田剛の新作『青空ポンチ』(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008フォーラムシアター部門出品)が上映され、監督とキャストによる舞台挨拶が行われた。

本作は香川を舞台にカッコいい青春とはほど遠い、ずっこけた青春を送る4人を描いた物語。本作の主人公で、空気を読まずに意味不明な発言で周囲を混乱させるカツヲを演じたモデル出身の石田真人は香川での撮影の感想を、「一言で言うと暑かった……。僕、地元が青森なのでこんなに暑いのか?と思いました。演技は監督に教わりながらやりました」というコメントに対して、「石田くんは現場より、ローソンの前で芝居の練習していた印象のほうが強いですね」と監督が口を開くと「いや、あれはファミリーマートなんですけどね」と冷静に間違いを指摘し、会場の笑いを誘う石田。どちらにしても、近所の人たちから変な目で見られたのは確からしい。

劇中でドラムを披露したのは、「仮面ライダーキバ」で注目を集めるU-15アイドル・小池里奈。「学校の吹奏楽部でも一番目立つのはドラムなので、いつかやってみたいと思っていたんです。実際にやってみたらすごく難しくて手と足が一緒の動きになってしまったりしたけど、今でも楽しく続けています」と目を輝かせた。

主題歌を担当したのが、数々のバンドからリスペクトを受ける伝説のバンド、ジッタリン・ジンというのも話題となっているが、本作では新曲「恋のルアー」と名曲「夏祭り」が劇中に登場し、物語を一層盛り上げている。
ジッタリン・ジンの曲を使用するにあたってプロデューサーは、「彼らの曲はシンプルなメロディラインで誰の耳にもなじむから簡単だと思っていたら、とても難しいということがわかりました(苦笑)。なので、音楽担当(あらかじめ決められた恋人たちへ)の池永さんに誰でも弾けるようアレンジしていただいたんです」と裏話を明かし、
「夏、海、花火と言えば……で思いついたのがジッタリン・ジンさんだったのでオファーしたところ、“今、自分たちが作っている新曲が映画と合うならどうぞ”と言ってくださったんです。曲が出来上がったとき、実は僕と監督とでスタジオまで生演奏を聴きに行ったんですよ。録音する時間がないからと(苦笑)。すごかったです」。
監督も「『いかすバンド天国』という番組でずっと見ていたバンドで、なんか遠い国の有名人ってイメージだったので感激しました」と熱く語った。

ちなみに、『青空ポンチ』の“ポンチ”とは、しっかりとした考えのない、軽いノリの人物を指すのだという。本作の主人公は無責任で滑稽なたくましさで、ダサいながらも青春を生き抜いている。わたしこそポンチだという人、必見の映画だ。

(Report:Naomi Kanno)