世界最高のクリエーター“ミシェル・ゴンドリー×レオス・カラックス×ポン・ジュノ”奇跡のコラボレーションによって生み出された映画『TOKYO!』は、第61回カンヌ国際映画祭“ある視点部門”にも正式出品され、多くの注目を集めた。強烈なオリジナリティを持つ3人の監督が、豪華キャストを加え“世界で最もクールな都市”TOKYOを舞台にどんな日本映画を誕生させたのだろうか。
2日(水)、本作の完成記念記者会見が行われ「TOKYO!<シェイキング東京>」の監督ポン・ジュノと出演・蒼井優、香川照之、「TOKYO!<インテリア・デザイン>」からは出演・藤谷文子、加瀬亮が登壇した。

「TOKYO!<シェイキング東京>」ポン・ジュノ監督はこの企画に参加した感想をこう語った。
「東京を舞台に撮影をし、それを映画にできる機会が持てたことはとてもうれしく思います。ワクワク、ドキドキしながら撮影しました」
そして、監督が脚本段階からキャスティングを決めていたという香川と蒼井はそれぞれ、「世界中で1番会いたくて、仕事を一緒にしたかった監督とこうして組むことができたことは自分の財産になりました。監督の撮影はまるでジェットコースターに乗っているようでしたね(笑)」(香川)、「私が撮影に関われたのは1週間だけでしたけど、自分の目の前にポン・ジュノ監督と香川さんがいるのが信じられなくて、本当に夢のようでした。皆さんの熱気、やる気、温かさが可能な限り詰まった作品になってうれしいです」(蒼井)とコメント。

本作で香川は引きこもり役を演じているが、監督曰く「映画『ゆれる』で香川さんを見たときから、引きこもり役はこの人しかいないと思いました。私は本当に彼に惚れこんだのです」。しかしそれを聞いた香川は、「僕の中では“引きこもり役なら加瀬亮だろ!”って感じだったんですけどね(笑)」と会場を沸かせ加瀬をちらりと見ると、「僕はこの香川さんの出演している作品観ましたけど、香川さんの引きこもりぶりは世界一だと思いましたよ」と、いい意味での大絶賛。

また、監督は蒼井の映画デビュー作『リリィ・シュシュのすべて』から、『フラガール』『ハチミツとクローバー』、声優を務めた『鉄コン筋クリート』と、ほぼ全ての作品をチェックするほど蒼井の魅力にハマってしまったようで、「蒼井さんは韓国でもすごい人気で、僕もこの作品で彼女と一緒に仕事したことで先輩・後輩監督に嫉妬されたくらいなんです」と、うれしそうにほほ笑んだ。
香川も「僕はちょっと引きこもり気味なところがあって人の目が怖かったりするんですが、蒼井さんの目は自然に見られたんです。なんかやわらかい感じ。これはポン・ジュノ監督がくれた贈り物だと思いました」とラブコールを送ると、蒼井は思わず照れ笑い。

ミシェル・ゴンドリー監督「TOKYO!<インテリア・デザイン>」に出演した藤谷と加瀬は、ポン・ジュノ監督チームのほんわかムードとはうってかわって「こちらのチームは大変だったんですよ……」とつぶやく。
「ミシェル監督は本番直前とか本番中にいろいろな指示を出してくるんです。例えばいきなり“ジェームズ・ブラウンの歌を歌って。ヘタに歌ったら誰だかわからないから上手く!”とか。その対応が大変でした」と加瀬が発言すると、藤谷もうんうんと深く頷いた。しかし苦しいこともあれば楽しいこともあり。「1人でもすごい監督が3人も集まって、こんなにワクワクする企画に参加できるだけでうれしかったです」(加瀬)、「この企画を聞いたとき、なんてクレイジーなんだと思いました。でもお仕事を一緒にやりたいと思っていた方たちとできましたし、今では自分の幸せさを実感しています」(藤谷)と笑顔で語った。

最後に、一人ずつ舞台となった“TOKYO”についての想いを発表した。
「こんなに人の出入りがある都市はあまりないと思います。刺激的な街ですよね」(加瀬)
「とても心地よい。いろいろな表情を持っている街だと思います」(藤谷)
「私は福岡出身なので、休むところは福岡だけど東京は仕事をする場でもあるし、深呼吸させてもらえる場ですね。いろいろな人やものから得たものを吐き出す場所です」(蒼井)
「僕は東京で生まれ育ったので、まさに家みたいな場所ですね」(香川)
「実は昨年、プリプロをするために世田谷の用賀に2ヶ月間住んでいたんです。それはとても不思議な体験でした。だから僕にとって東京は、もう海外ではなくて生活をした場でとても親しみを感じる街になったんです」(監督)

(Report:Naomi Kanno)