『デスノート』以来の主演作となる藤原竜也が、阪本順治監督とタッグを組み挑んだ、スタイリッシュで壮絶なクライムアクション『カメレオン』が7月5日に公開する。その公開に先駆け、30日(月)に完成記念セレモニー&スペシャルトークショーが行われ、藤原竜也とヒロイン役の水川あさみ、阪本順治監督が新宿バルト9に登場した。

本作について監督は「これは30年前の脚本をそのまま使っています。現代用にするため場所やアイテム(携帯など)は変更しましたが、最近の映画と比べると不思議なものをみんなで作ったなぁと思っているので、そういう部分を楽しんでいただければと思います」と語った。「公開まであと5日! 皆さんの応援で一人でも多くの人に観てほしい」とアピールするのは、なんと本作のプロモーションのために合計102媒体もの取材をこなしてきた藤原竜也。現在、舞台もこなして超多忙な藤原だが「150媒体を目指します!」と、本作への力の入れようは半端ではない。

また、藤原の並々なる本作への想いはこんなエピソードからもひしひしと伝わってくる。
あるアクションシーンで藤原は、スタントマンがいたにも関わらず自分でスタントをやりたいと言い出した。彼の運動神経のよさは監督はじめスタッフ全員がすでに知っていたため、実際にやらせてみるとアクション監督が「すばらしい……」と下を巻くほどだったという。藤原はそのアクションシーンを振り返り、「なつかしいですねぇ、あれは大変でした。けがはもちろんしましたが、自分からやりたいといった以上恥ずかしくて言い出せなかったんですよね」と、涼しい顔で答えた。

そんな藤原の印象を監督は、「藤原くんの初仕事は「身毒丸」ですよね? あれは大人が見るものであって、少年時代にそれを演じるなんて普通なら思春期は壊されますよね」と笑いを織り交ぜ、「そこで鍛えられた彼の元々持っている底力や演技力を信用して現場に入ってもらいました。ダメ出しをたくさんしてしまいましたが、彼は感覚・演技力・理解力全てにおいてすばらしい俳優だと思います」と称賛し、共演者の水川も「(藤原くんは)集中力を持続させる能力がすごい。舞台もたくさん経験されている俳優さんなので引き出しも多くて、いろいろなお芝居が目の前で見ることができたのは刺激的でした」と語った。

当日は、DVD特典にはよくあるが、公開前にお披露目されることは非常にめずらしいメイキング映像も一挙公開され、今だからこそ話せることや、緊迫撮影エピソード等が次々と飛び出した。例えば、共演者である萩原聖人とのシーンではNGのツボに見事にハマってしまったらしく、「せりふを間違えたり、せりふがOKでも物を落としてしまったり、僕がやっとOKになっても今度は萩原さんがNG出してしまったり……なんか、あの時はいっぱいいっぱいでした。僕、その時お酒やめていたんですけど、あの晩は飲んじゃいましたから(笑)」と藤原。また、アウトローな主人公<伍郎>を演じるにあたっては「これまでの自分だと、成立しないキャラクターだったんです。(ファッション・外見)全て変えて、僕の全部をこの役に預けたいと思った。監督もOKしてくれましたしね」とほほ笑んだ。

そして、「皆さん、よろしくお願いします!」(藤原)、「公開したら1人につき5人に口コミしてください」(水川)とコメントする二人を見守りつつ、監督は「この映画は2回目と5回目が1番おもしろいです。『相棒』と同じくらいヒットすれば、たぶん東映さんから続編の話もくるでしょう。その時、監督が僕じゃなかったらショックだな……。とにかく、おもしろいと思った方は口コミで広めていただいて、おもしろくなかったと思う方は観たことも忘れてください。今日は本当にありがとうございました」と、ユニークな語り口で本作の魅力を思う存分アピールした。

(Report:Naomi Kanno)