世界最大で最悪の単独航空機事故から23年。いくつもの季節が過ぎ去って、また巡ってもあの夏の日は忘れない──。
当時、地元紙の社会部記者としてこの大事故を取材した作家・横山秀夫(『半落ち』)が自らの壮絶な体験を元に17年の時をかけて書き上げた渾身作で、大ベストセラー「クライマーズ・ハイ」。17日に、映画『クライマーズ・ハイ』完成披露試写会が開催され、原田監督はじめ出演者らが登壇した。

主演の堤真一は、撮影中のエピソードを「ロケは群馬の前橋というところで行いました。新聞社として撮影で使っていたビルと、僕たちが泊まるホテルが目と鼻の先だったので、起きたらすぐ現場に直行していました。だから一切、映画から抜け出せないんですよね。逆に気を抜いたら終わりだと思っていました」と語り、重いテーマでなおかつ過酷な撮影だったことを明かした。

終始、真剣な表情の堤だったが、普段の撮影現場では意外とおしゃべりで他の共演者の邪魔をすることも……? しかし本作の現場では一転、扱っているテーマがテーマだけに全くと言ってよいほど無口になってしまったそうだ。「今回はムダ口を叩かずに真面目にやりました。あっ! いつも真面目ですよ。今回は特にです」(堤)

そんな堤をほほ笑みながら見つめるのは、堤曰く癒し系の堺雅人。「僕は18歳で上京してきたんですが、すでに活躍していた堤さんと今回ご一緒できるだけでとてもうれしかったし、楽しかったです」

紅一点の尾野真千子は、男性ばかりのベテラン俳優の中に入って極度の緊張(クライマーズ・ハイ)に陥ってしまったそうで、「こんなにすごい人たちとお仕事するのはほとんど初めてで、セリフはかんでばかりでした」と、苦笑いをした。

また、この日は「本作を観て非常に感銘を受けた」と主題歌を提供した元ちとせも駆けつけ、主題歌「蛍星」を熱唱。出演者や観客たちも力強いその歌声に息をのんで耳を澄ませていた。ちなみに堤は、今朝この歌を聞きながら家を出たらしく「この映画と共にこの歌もガンガンいってほしいね。『相棒』のように大ヒットしてくれとは思いませんが、一人でも多くの人に観ていただきたいです」とのコメントで幕を閉じた。

☆元ちとせ2008年第一弾シングル2008年7月2日発売決定!
「蛍星」作詞・作曲・編曲・総合プロデュース 常田真太郎(from スキマスイッチ)

(Report:Naomi Kanno)