女にモテたいからという理由だけで<純喫茶磯辺>を開店させた、中年メタボ親父・磯辺裕次郎(宮迫博之)と父親のことは好きなのに、なぜか冷たくあたってしまう思春期のひとり娘・咲子(仲里依紗)。クセのある常連客たちの中に、裕次郎の男心を揺さぶるアルバイト美女の素子(麻生久美子)も加わり、純喫茶磯辺のひと夏の物語が始まった。

10日(火)、映画『純喫茶磯辺』の舞台挨拶付き完成披露試写会が行われ、宮迫博之と仲里依紗、監督の吉田恵輔が登壇した。最近はあまりお披露目しなくなった「みやさこですっ!」のポーズで観客を喜ばせた宮迫は、「この役はすごく自然体でできましたね。気を抜いているときは僕も裕次郎と同じく、人生だらだらしているんで(苦笑)」とコメント。共演した仲については、「最初はお互い人見知りしていたんですけど、最終的には本当の娘のように思っていました」と語り、仲も「宮迫さんは本当のパパみたい。TVで出演しているのを見ると、いつもマネージャーさんと“あっ、パパが出てるね!”と話しているんです。宮迫さんみたいなパパはかわいいと思います」とほほ笑むと、「うわっ、なんかめっちゃうれしい! 高いものんでも買ってあげようかなって気分になる。あとね、付き合うなら芸人なんて絶対だめ! 公務員さんと付き合いなさい」と親バカぶりを存分に発揮させた。

そんな宮迫は実生活でも子を持つ親。「僕には息子がいるんですけど、注意されっぱなしですよ。僕が出演したクイズ番組を一緒に見ていたとき、答えがわかっていても芸人だからボケたりするじゃないですか! それを見た息子が“何で?”と聞くから“ふざけるのが仕事なんだよ”と言ったら、“ふざける仕事なんてないよ、パパ!”と返され、僕の人生全否定ですよ……」と、哀しいエピソードで会場を沸かせた。

2006年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭<オフシアター部門>にて、『なま夏』でグランプリを受賞した吉田監督は、本作『純喫茶磯辺』誕生秘話を「以前、ある夫婦が宝くじを当てて喫茶店を始めたけどすぐに潰れてしまい、夫婦も離婚してしまったという話を聞いてとても感銘を受け、いつか映画にしようと思っていたんです」と明かし、アメリカのアダルトサイトからヒントを得たという劇中のメイド服が登場すると、「夢いっぱいの衣装ですね!」とにんまり。そして、これまた監督の趣味で、劇中には工藤静香さんもちらりと登場する(?)らしいので要チェックだ。

“夢いっぱいの衣装”を前に、宮迫は「麻生さんが着たらかわいいと思えたけど、(ハリセンボン)春菜が着たら“えー加減にせいっ!!”と思った」と苦笑い。また、仲から父の日を前に“脱メタボ宣言”と書いた扇子とマグカップをプレゼントされると、「そうなんですよ〜、去年、舞台で各地まわっていたら食べ物がおいしくて8kgも太ってしまったんです」。
映画・舞台と大忙しの宮迫だが、「本業はお笑いです」ときっぱり。(映画などを)やるとしても、1番手ではなく3番手くらいがいいという。理由は「当たらなかったら、宮迫のせいだと言われてしまうから。責任の少ない3番手くらいがちょうどいい」とのこと。

しかし、最後は「優しくてほんわかした気分になれる。観て損はしない映画です!」(宮迫)、「働きすぎで疲れている人たちにおすすめしたい映画です」(仲)と、しっかり俳優として映画のPRに努めていた。

(Report:Naomi Kanno)