最近、ブラウン管の中でこの人の顔を見ない日はないのではないだろうか……? と、思ってしまうほどニュース番組、CM、バラエティなどなど・・・ジャンル問わず露出しまくっている男がいる。
それは、大ヒット映画『THE有頂天ホテル』から2年、待望の最新作『ザ・マジックアワー』を引っさげて怒涛の宣伝活動にひた走る監督・三谷幸喜だ。

7日(土)に行われた初日舞台挨拶では、場内をたくさんの観客が埋め尽くす中、三谷幸喜監督はじめ、Wコーチャンとして共に宣伝活動に従事してきた佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、小日向文世、戸田恵子、伊吹吾郎、西田敏行といったこれまでにない豪華なキャスト陣が集結。劇場後方扉より入場した彼らは、客席を通って握手などのファンサービスをしながら舞台へ登壇した。

開口一番、三谷監督は「(150を超える媒体への露出など)いろいろな宣伝活動を行ってきましたが、その中でも一番『ガキの使い』で鼻にワサビを入れたことがきつかったです。僕の中の何かがそのときはじけた気がしました。それもこれも皆さんに観に来ていただきたいからです!」と力強くアピール。佐藤も「僕もいろいろなキャンペーンを監督とやってきたので相方みたいでしたね。ですが、ようやくWコーチャンを解散できるということで、うれしいような、悲しいような……そんな気分です」とコメントした。妻夫木は、なんと握手を求めてきた中に母親がいたとびっくりした顔で語り、「(上映後ということで)皆さんの手が汗びっしょりでしたが、誰よりもうちの母の手がびっしょりでした(苦笑)」と、客席の母親がいるらしき席へ向かって笑いかけた。

本作についての熱い想いを三谷監督に対抗して、深津は「私もたくさんの人に観ていただけるように、鼻にワサビを入れる覚悟です!」と女優魂をめらめらと燃やし、周囲を驚かせた。また、「台本を読んだとき、これは三谷さんしか書けない作品だと思いました。この場に立って、改めてこの作品に参加してよかったと思いました」(小日向)、「客席にたくさんの笑顔があってうれしいです」(綾瀬)、「誰もが知っている三谷監督の作品に、ずっと『水戸黄門』をやっていた時代劇チックな私が入るなんて思わなかったが、これは非常にうれしい。この作品にかける監督の意気込みや自信を、本編を観て感じたでしょ?(場内大拍手)。ということで、皆さん5回以上は観てください」(伊吹)と、それぞれ語った。

三谷監督作品にはこれまでも何度か出演している戸田は、「監督は、作品を重ねるごとにより監督らしく、より楽しんでやっていらっしゃるように感じました」、またほかの出演者たちを見渡し「普段、TVや映画で観ている方々の中に自分も入っていることを感じると、とても光栄に思いますね」。いつもにこにこと笑顔を絶やさない西田は、本作ではギャングのボス役ということで三谷監督からは「おもしろいことは何もしないで」と釘を刺されたことを明かし、「最初はそんなことを言われてカチンときたけど、だんだんいい気分になっていったので、僕はMなんだとわかりました。叱られて伸びるタイプっていうのかな?(笑)」との発言で場内を沸かせた。

最後に、映画のタイトルにちなんでマジックを披露。が、西田のみが失敗し、「あんなに練習したのに……」とガッカリ肩を落とす場面も見られたが、キャスト陣たちには盛大な拍手と歓声がいつもまでも響き渡っていた。

(Report:Naomi Kanno)