日本の裏側、サンパウロからパウロ・モレッリ監督がやってきた!8月ロードショーの映画『シティ・オブ・メン』監督来日記者会見が行われた。

あのギャング映画『シティ・オブ・ゴッド』から5年。本作でも舞台は同じブラジル、リオデジャネイロの貧困地域、ファヴェーラだ。本作の主人公である少年二人も前作から登場している。パウロ・モレッリ監督は前作とのつながりを「全く違う映画だととらえてもらって結構です。舞台は一緒だが、本作はファヴェーラに住む人々や家族を描いた。前作の中心である麻薬ディーラーは今回背景にすぎない。前作と違い、自分では希望のある映画になったと考えている。」と言葉を選ぶように語った。

元々作品にリアリティを求めていたモレッリ監督。演出ではアドリブを重要視したという。「台本も渡しませんでした。リハーサルの段階で何が起こるか(リオデジャネイロ出身の)俳優に説明し、彼ら自身の言葉で話してもらいました。自然なスラングやボディーランゲージを使うようにしたことで、リアルスティックな映像が取れた。このアプローチが一番のトリックだったと思うよ。」と自信をみせた。

二人の少年からの視点でファヴェーラの現実を描いた本作。最後にモレッリ監督は見どころを語った。「この作品は“大人になっていく成長物語”、“男の友情物語”と言えます。一番重要なテーマは“父親の存在”でしょう。」ファヴェーラは、父親が不在で家庭崩壊するのはよくあること。その先に、モレッリ監督が描いた希望に注目だ。

(Report:Hiromi Kato)