前作『運命じゃない人』がカンヌほか数々の映画賞を受賞し、話題を集めてから3年──。内田けんじ監督待望の新作『アフタースクール』が24日(土)に初日を迎え、主演の大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、共演の田畑智子、内田けんじ監督が舞台挨拶を行った。

3年ぶりの内田監督最新作は、久しぶりに再会した同級生3人が巻き込まれる謎解きエンターテインメント。内田監督は「個性的な俳優の“味”を楽しんで」と話した。
“今が旬”の個性派3人が顔をそろえた舞台挨拶では、丁々発止のやり取りに客席の笑いが絶えず、和やかな雰囲気となった。まずは大泉が「僕の長い長い(この作品の)キャンペーン生活も、ようやく終わりが近づきました」と切り出し、会場の笑いを誘った。

「同年代で親しみがわいた」という3人は、終始笑顔で会場をわかせた。
『アフタースクール』は、エリートサラリーマンの木村(堺)の失踪騒ぎに、同級生の探偵・島崎(佐々木)と教師の神野(大泉)が巻き込まれ、謎が謎を呼ぶ追跡劇。『運命じゃない人』では、主人公5人が過ごした一夜の騒動を、5人それぞれの視点で並行に描いた内田監督。緻密な構成、練られた脚本、さまざまな仕掛けと意表をつく展開で観客を引っ張っていく本作は、3月のゆうばり国際ファンタスティック映画祭では招待作品として上映された。

昨年夏の撮影を振り返り、佐々木は「大泉さんとは以前にも共演したことがあるが……今回新たな発見は特になかった」ととぼけ、堺は「大泉さんは雨男なので、(公開初日の)今日も怪しい雲行き。話しているとちょっと疲れる人」と冗談で応酬。大泉は「いつもは辛口のおふくろも『面白い』って言ったんです。“大泉の母も絶賛”ですよ」と笑ってみせた。
さらに、佐々木は「ネタを明かさず、見どころを話すのが難しい映画。皆さん、新宿で見るのが正解。すぐ近くにロケ地もある。帰り道に気づくでしょう」とアドバイス。内田監督は「今になって『すごいキャストだった』と分かってきた(笑)。個性的な役者たちがたくさん出るので、楽しんで見てほしい」と語った。