フランス時間5月22日(木)、大盛況に終わった前日の公式上映に続き、本年度カンヌ国際映画祭の最注目作、パルムドールにも期待がかかるキューバの英雄チェ・ゲバラの半生を描いた超大作『CHE』(原題)の公式記者会見がおこなわれました。
主演のベニチオ・デル・トロ、スティーブン・ソダーバーグ監督ら、前日のレッドカーペットに登場した面々が一同に会し、本作の撮影秘話や、作品に対する熱い思いを語りました。

■日時:フランス時間5月22日(木)PM1:00/会場:カンヌ国際映画祭 記者会見場 パレ
■出席者:スティーブン・ソダーバーグ監督、ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、フランカ・ポテンテ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ジュリア・オーモンド、サンティアゴ・カブレラ、ホルセ・ペルゴリア他

スティーブン・ソダーバーグ監督コメント 
この作品を撮った経緯について
私は元々キューバに強い興味を持っていたわけではなく、チェ・ゲバラという人物に強く惹かれていました。さらに、ラテンアメリカという土地は、今でも革命が起こりうる地だと私は思います。だからこそ今、この作品を撮る必要があると感じたのです。

撮影に際して苦労したこと
・Tシャツのプリントにもなる象徴的な存在、チェ・ゲバラを生身の人間として描くには苦労しました。実際に、生前のチェを知る人物に会ったり、彼に関する文献を読んだりして、チェ・ゲバラのキャラクターを再現していったのです。
・(ソダーバーグは早撮りという前振りがあった上で)実は第一部も第二部も、撮影時間が39日ずつしかありませんでした。撮影時間を凝縮するために、俳優たちには事前に「痩せてくること」「ヒゲを伸ばしてくること」「髪の毛を伸ばしてくること」をリクエストしていました。
・(ここからはプロデューサーの発言→)デル・トロは撮影前に7.5kg減、チェの親友カミロ役のサンティアゴは、15kg減で撮影に望んだのです

前日のプレミア上映に関して
反ゲバラの団体が上映前に抗議運動をおこなっていました。チェが生涯かけておこなった武力闘争という暴力の部分に、この作品が十分触れていないのではないか、というのが理由だったようです。

二部構成について 
当初は第二部となっている「Guerrilla」の構想を描くことから始まりました。ただ、この「Guerrilla」だけでは、チェの豊かな人間性を描ききれないと思い、「Guerrilla」以前のチェを描く「The Argentine」を作ったのです。これが二部構成になった理由です。

ベニチオ・デル・トロ コメント 
チェを演じたことについて
実は、元々チェ・ゲバラに対して強いイメージを持っていたわけではなかったのです。ただ、本屋で見た彼の笑顔の写真を見て以来、チェに惹かれるようになっていきました。チェを演じるに当たって私は、金のグローブをはめるように彼のことを丁寧に演じました。

撮影秘話(カストロとの対面)
実は撮影中、本物のカストロ氏に対面することができたのです。5分ほどでしたが。カストロ氏は、この映画のことを知っていて、しかも綿密なリサーチをおこなったうえで作られていることに大変喜んでくださいました。
(ここは監督のことば→)是非、カストロ氏にこの映画を見ていただいて、感想をうかがいたいですね。

キューバ人俳優 ホルセ・ピルゴリアのコメント 
故郷キューバの歴史を描いた作品について
この作品は、キューバ人や、ラテンアメリカを非常に真摯に描いてくれています。この映画は、私たちにとって歴史的な作品となるでしょう。