毎年早大生・慶應生にとっての大イベントである早慶戦。
1943年10月16日。それは、永遠に語り継がれる、特別な試合があった。
1943年は、太平洋戦争の真っ只中な時代で、東京六大学リーグが中止された。
そんな時代、禁じられた野球にすべてをささげた男たちが描かれている感動の実話である、
映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』。

5月15日(木)慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールにて
映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』の舞台挨拶付き試写会が、
渡辺大・原田佳奈・三波豊和・神山征二郎監督が参加し行われた。

慶應義塾大学の卒業生であり、本作に出演している三波豊和は、
母校での舞台挨拶で、司会進行役を務め、
(三波)「(慶應大学の)OBとして、本作に参加することが出来、嬉しい。
(学生時代の)色々なことがよみがえってくる気がする。」と、母校への懐かしさと熱い思いを語った。
本作に出演している、石坂浩二も慶應義塾大学卒業生であり、親子三代慶應である。

『ハチ公物語』『大河の一滴』などを手がけた、ヒューマンドラマの巨匠でもある神山征二郎監督は、
(神山監督)「1941年生まれの私は、最後の戦争世代。私自身の戦争体験はないが、親を戦争で亡くしている世代。最後の早慶戦は1943年のことだから、今年で65年目。そんな今の時代だからこそ、戦争というものを風化させないようにしたい。」という本作品の製作への思いを語った。

今回初主演だったという、渡辺大。本作での初主演を通し、神山監督から多くのことを学んだと話した。
本作品は野球がメインとなっているが、渡辺大は、小学生の時にはリトルリーグ、
中学生の時には軟式野球をやっていたという経験を生かし、その腕前を本作で披露している。
撮影のほとんどは長野県で行っていたようだが、撮影期間の去年は例年にない珍しく厳しい寒さであった
という苦労話を述べた。
渡辺大の父親は、「ラストサムライ」に出演している渡辺謙である。
(三波)「父親は『ラストサムライ』、息子は『ラスト・ゲーム』。」
と、親子揃って「ラスト」という言葉つながりの作品に出演していることを、
司会の三波豊和はほのめかし、会場内では笑いが湧き上がっていた。
(渡辺大)「立派な方々に見てもらえたということで、一つ大きなステップを踏めたと思う。」と語った。

(原田)「この私の役は実在しない役柄であったので、戦地に行ってしまい、残された女の人のやり場のない悲しみを表現できればいいなという思いで現場にいた。(この映画を通して)はじめて戦争のこと、学徒やその当時の男女の関係を知るきっかけとなった。この映画を見た人が、自分自身とてらし合わせて考えてくれたら・・と思う。」と、マネージャ役を演じた原田佳奈は本作への思いを述べた。

さらに本作の見所は、鬼束ちひろによる主題歌の「蛍」。
(神山監督)「この主題歌は、本当に素晴らしくて、鬼束ちひろさんの曲の中では一番なのではないかと思う。」と、神山監督は大絶賛。

本作は、2008年8月全国ロードショーである。
その映画の公開の8月頃、渡辺大の第1子誕生予定でもある。
(渡辺大)「父は今ロスにいるから、タイミングを見計らって伝えた。父に「お前、早いなぁ。」といわれた(笑)が、祝福してもらえたので嬉しい。健康で元気な赤ちゃんに最低限のケアーが出来るような父親になりたい。」と、おめでたいエピソードを述べた。
(渡辺大)「戦争映画として心の中に残るものだと思う。是非、ご家族、お友達とみてほしい。」
というメッセージを送った。

映画『ラスト・ゲーム 最後の早慶戦』の舞台である早稲田大学・慶應義塾大学
の両校での特別試写のイベントは、今回は慶應義塾大学にて行われたが、
次回は早稲田大学での試写会も予定されている。

(Report:大倉真理子)