5月10日土曜日、映画『休暇』の舞台挨拶・完成披露試写会が小林薫・大杉漣・柏原収史・門井監督の豪華顔ぶれが揃い、新宿明治安田生命ホールにて行われた。舞台となっている山梨で上映した際、大評判であったという映画『休暇』。本日、東京で初上映となった。

「死刑執行の際、支え役を務めれば一週間の休暇を与える」
そのことを知った平井(小林薫)は、新しい家族と新婚旅行に出かけるために、誰もが嫌悪する支え役に自ら名乗り出る。生と死の間で揺れ動く一人の人間が、やがてたどり着くところとは・・・。

そんな本作の主演・平井役を演じた小林薫は、
「深刻に考えずにやりました。人が死ぬときには、立ち合わざるを得ないので、そこを重く受け止めても仕方がないと思ったんです。台詞とは、喋っていればおおよそ伝わるものだと思っているので、その点では重くみませんでした。」と、演じた時の気持ちを話した。さらに、共演した大杉漣について、
「いつも感謝しているのは、大杉さんは場慣れしているので、皆さんをリラックスさせるのに長けていることです。」と大絶賛した。

撮影現場について大杉漣は、
「現場が楽しいものだったか?と言われれば、現場の楽しみ方を見つけるのが楽しかったりもしますね。現場の楽しみ方はそれぞれの現場において見方がありますけどね。あっ、この作品の現場はもちろん楽しかったですよ(笑)。」と語り、充実した撮影現場であったことを明かした。小林薫の大絶賛に対しては、「現場のムードをよくしているかのように見えて、僕のムードにしているだけですよ(笑)。」と語った。

本作は、山梨を舞台としている。その舞台となった山梨出身でもある柏原収史は、
「山梨という地元での撮影に今まで参加したことがなかったので、嬉しい気持ちと、もし参加できなかったら悔しかっただろうなという気持ちがありました。撮影中は実家から現場へ通っていて、高校生の頃に戻った気がしました。」と語った。本作の新人刑務官という役つくりに関しては、
「新人という役どころで、そこはリアルにというか、元から知識がなかったので調べはしましたが、映画を通じて役を理解していこうとしました。」と話した。

本作の撮影に関して門井監督は、
「ベテランの役者たちに囲まれ助けられました。撮影中は、緊張しなかったというと失礼かもしれませんが、それくらい楽しかったです。短期間で終わってしまったのが寂しかったですね。」と話した。
「扱っているのは死刑囚など重いテーマだと思われがちですが、それはモチーフであり、登場する人の生き様に注目していただきたいと思います。ごく普通の娯楽映画として楽しんでいただきたいですね」と本作の見どころを語った。

(Report:大倉真理子)