1982年、一人の男がヒーローの歴史を変えた。男の名はジョン・ランボー。“ランボーシリーズ”は、3作で全世界興行収入6億ドルを超えるスーパーヒットを記録した。
あれから20年。ランボーが己の戦いの歴史にカタをつけるため、再びスクリーンに帰還した!

最新作『ランボー 最後の戦場』のプロモーションのため、主演と共に監督・脚本を務めたシルベスター・スタローンが、共演者であるジュリー・ベンツ、グレアム・マクタビッシュと6日(火)に来日、翌7日(水)に都内で記者会見を行った。

今回、戦いの場をミャンマーに選んだ理由をスタローンは、
「自分は『ランボー』でも『ロッキー』でも前作で満足できなかったから続編を作りたいと思った。今回、舞台をミャンマーにした理由だが、ミャンマーでは60年ちかく内戦が続いていることを多くの人が知らない。そんな国境外で一体何が起こっているか、ミャンマーの人たちがどれだけつらい想いをしてきたか、現状を知ってほしいと思ったからこの地を選んだんだ」と語った。

そして、ミャンマーと言えば5日に大型サイクロンが直撃し、大惨事を招いたことも注目されているが、「この災害でも、多くのミャンマーの人たちが準備できていなかったことが明らかになった。今、世界の目はミャンマーに向けられていると思う。自分も『ランボー』を通して、人々の関心をミャンマーに向ける手伝いができるならうれしい」と語り、「本作にはミャンマーの人たちがエキストラでたくさん出演してくれているが、ミャンマー政府は彼らに、この映画に賛同したら何かしらの報復があることを臭わせ、脅したんだ。しかし、それに臆することなくこの映画の価値を見出し、参加してくれた彼らには心から敬意を表したい」とコメントした。

その後、真面目な表情から一転、「少しおもしろい話をしよう」と話してくれたのは撮影中のエピソード。激しいアクションシーンを無傷でやり遂げた直後、少し気が緩んだ際に竹に頭を強打、気絶してしまったというスタローンは、「<ランボー>はアフガニスタンにも、ロシアにも、ミャンマーにも殺されなかったのに、竹に頭をぶつけて死んでしまったよ」と笑いながらジョークを飛ばし、会場を沸かせた。

また、本作では“最後の戦場”ということで最終章を決定付けているが、なんとスタローンは続編を考え中とのこと。「<ランボー>は、ベトナムから帰還してもまだ戦士なのさ。自分だけでなく、他の命も救おうとする。せざるを得ないんだ。生まれもっての戦士だから、一生彼はそうして生きていくだろうね。次回作がもしあるとしたら、実在の出来事を基に西部劇風に描きたいと思っている。戦争映画にはもうしたくないね。戦争は彼の心の中にあるから。でも、次回作にいく前に彼にも少しだけ楽をさせてやりたいよ(笑)」。

当日は、スタローンが劇中で使用した弓(実物)に本人がサインしたり、手形を押したりといったイベントも同時に行われた。弓は、500万円相当の品でプレミアが付き、すでに1000万円の価値がついている。その収益はユニセフに寄付されるそうだが、これは、スタローン本人の発案として、会見の場を借りて作品のメッセージを伝えることで現実を知ってほしいとの思いから浮上した話とのこと。手形は、5月24日の公開時から日比谷スカラ座にて展示されるらしいので要チェックだ。

(Report:Naomi Kanno)