4月20日宮藤官九郎監督最新作『少年メリケンサック』の撮影快調報告会見が東映東京撮影所内で開かれた。
脚本、監督を務めた作品で次々とヒットを飛ばし続けている宮藤官九郎。
独特の世界観が若者を中心に人気を呼び“クドカンワールド”と称され注目を集めている。その最新作とだけあって休日にも関わらず多くの取材陣が集まった。

本作は宮藤監督の完全オリジナル脚本であり、自身が大好きな“パンクロック”を題材にした作品。レコード会社契約寸前のOL・かんなとおやじパンクバンド「少年メリケンサック」の関係を描いたノンストップエンターテイメントムービー。
未だ撮影中とあり映画の全貌は見えてこないが、会見場に流れていたメイキング映像を見る限り来年の公開が楽しみだ。また、お昼時の会見ということもあり取材陣には“パンクロック”に掛けて“パン食う”ということからアンパンが振舞われた。

会見には、宮藤官九郎監督、パンクロックバンド「少年メリケンサック」メンバー佐藤浩市(ベース)、木村祐一(ギター)、田口トモロヲ(ボーカル)、三宅弘城(ドラム)、レコード会社社長役のユースケ・サンタマリア、そして主演の“崖っぷちOL”かんな役の宮崎あおいが登壇。撮影の合間をぬっての会見とありそれぞれ劇中の衣装で出席した。

始めに宮藤監督から「撮影は順調です。海外にはパンクロック映画が沢山あるけど日本には無かったので今回製作しました。」と挨拶があり会見がスタート。
主演の宮崎あおいのコメディエンヌとしての才能を聞かれると「素晴らしいですね。壊れちゃったのかなと思うくらい頑張ってくれています。」と笑みをこぼしながら答えた。
また、本作の軸となるライブシーンの撮影に関して質問されると「途中からみんなの演奏が上手くなり過ぎて問題になりましたね(笑)持ち歌は20曲くらいの設定だけど実際披露するのは1曲です。」と面白エピソードを告白してくれた。

宮藤監督の脚本を読んだ段階で出演を即決したという宮崎あおいは「映画を観た人が笑顔になれる作品に興味がありました。この作品を通して改めてお芝居が楽しいと思えました。」と答えた。
撮影を進めて行くうちにおやじメンバーに対する母性本能が目覚めたという宮崎は「ライブシーンの撮影前にメイクしている後姿を見ていたら“頑張って来い!!”って応援するお母さん的な感覚になりましたね。」と笑いながら語った。

バンドのメンバーであり宮藤監督作品初出演となった佐藤浩市は「僕自身ロックが大好きだったし、スタッフ含め現場も凄く盛り上がっていて楽しいです。」と撮影の様子を報告した。

本作では佐藤浩市と絶縁状態にある兄弟を演じている木村祐一は役作りに関して質問されると「遡ること29年前、当時16歳の時リーゼント頭にしてロックンロールを目指していた青春時代を思い出しながら日々演じています。ちなみにその時買ったギターは吉本に入って生活が苦しくなり売りました(笑)」とちゃっかり落ちをつけながら話し会場を盛り上げた。

バンドのボーカルを演じた田口トモロヲは「50歳にしてダイブをしました。若い時はダイブしても誰も受け止めてくれなかったけど、今回はエキストラの方々が暖かく受け止めてくれました。」と撮影を振り返りながら語った。

普段から宮藤監督とバンドを組み、本作でもドラムを担当している三宅弘城は「初めての4人なのにそれぞれのパンクな部分が段々と出てきてバンド感がいい具合に出てます。」とバンドについて話してくれた。

宮藤監督映画初出演のユースケ・サンタマリアは「宮藤さんのドラマやバラエティーには出たことありましたが、映画はいつもよりもっと濃いですよ。」と笑みを浮かべながら語った。

2009年春、異色のパンクロックムービーの公開が今から楽しみである。
(Report:大野恵理)