「チェスト」とは何ですか??という質問に、「自分を乗り越えるための合言葉です。」と答える、中嶋和也。「それは、映画のキャッチコピーでかいてあることそのまま言っただろ??(笑)」と言う高嶋政宏。会場内では笑いがおこっていた。4月19日土曜日、新宿バルト9のシアター8にて映画「チェスト」の初日舞台挨拶に高嶋政宏・高橋賢人・宮崎香蓮・御厨響一・中嶋和也・雑賀俊郎監督が参加し行われた。

舞台は400年以上受け継がれる伝統の教育法「郷中教育」が残る鹿児島。主人公:隼人(小6)をはじめ6年2組クラスメイト全員が、桜島から対岸まで4.2kmを泳ぐ「錦江湾横断遠泳大会」に出動。それぞれ悩みを抱えた子供達がお互い助けながら壁を乗り越え成長していく姿を描いている、親子の絆を深める感動作である映画「チェスト!」。吉岡隆夫役を演じる、高嶋政宏さんは役を演じるにあたって自ら鹿児島へ自費で行ってきたというほどの熱意ある役作りを行った。

高嶋政宏は「鹿児島の人は飲むのが大好きですよね。役作りのためにお話を聞こうとすると『まずは飲みましょう!』といわれるので、一緒に飲むのですが、ベロンベロンになってしまって結局話を聞かずにおわるという日ばかりでしたね(笑)(鹿児島の)漁師の仲間も増えました。」と楽しそうに話していた。
今回の映画を通して高橋賢人は、鹿児島に長年ある「郷中教育」負けるな、嘘をつくな、弱いものをいじめるなという歴史ある教育を学んだという。
今回初映画だったという宮崎香蓮は、「全てのことが初めてで緊張しっぱなしでっぱなしでしたが、鹿児島の人は皆、人懐っこくて、前から知り合いのようですごく楽しかったです。鹿児島の女の子たちとおしゃべりしている時がリラックスできました。」と話した。
御厨響一は「演じた役は、クールで無愛想(という性格)だったので、いつもの自分とは全く違いました。毎日クールっぽさを維持するのは大変でした。でも、鹿児島の皆と温泉へ行ったり、泳いだりするのが楽しかったです。鹿児島の人は泳ぐのがうまかったのでびっくりでした」と話した。
成松雄太役を演じた中嶋和也は、舞台挨拶に家族や友人が応援にいたようで笑顔を浮かべ観客席に手を振っていた。

映画「チェスト」の見所に関して、雑賀俊郎監督は、
「鹿児島や東京でオーディションを行って、10日間合宿を行いました。合宿の初日から、一人一人子供扱いせず、大人として、役者の1人として扱いました。最初は先行きが不安でしたが、あっという間に子供たちが変わっていく姿を見てすごく驚かされました。それから、親子の事件が多く、親と子の距離感が難しい時代の中で、そういう(親子の距離)という観点からみることもより面白くさせるのではないでしょうか」と語った。
さらに「『チェスト!』という言葉は2008年の流行語大賞、『チェスト!』の主題歌『流れる雲よりもはやく』は紅白を狙っています。ここだけのはなしですよ(笑)」とも語った。
そして、高嶋政宏は弟である高嶋政伸の結婚に関して「本当に突然のことでびっくりしました。でも(嬉しさで)涙がでましたね。本当に良かったです。」と語った。「最近の映画はR-15指定なものやバイオレンスな映画だったりしますが、この作品は家族でみることのできる心温まる感動的な作品です。弟夫婦も観に来させます(笑)」と微笑ましい姿で話し、終了した。鹿児島から届いた、親子の絆を深める感動作、是非ともご覧下さい。

(Report:大倉真理子)